農業体験と食育の推進

       

現在、地球には地球の温暖化、海洋や河川、土壌、大気の汚染、酸性雨等さまざまな環境問題がありますが、これらは密接に繋がっています。この結果、生態系の破壊や食料、エネルギー等の問題も看過できない状況になってきています。

共生学舎には田んぼや畑、竹林を合わせると約2000坪の土地がありますが、基本的な活動として、農業体験を通じての食育を推進≠掲げています。

食を大切にしない国は衰退すると言われていますが、食は人間が生きていくための

基本です。しかし、今の日本を見ると食をめぐる様々な課題があり、これらを解決していくことが必要です。私は教育の現場で子ども達や保護者の皆さんと接していて、あまりにも食≠ノ対する認識が低いということに驚きました。

 主なものをあげると、先進国の中でも極端に低い食料自給率、膨大なフードマイレージ、大量の食料廃棄、農薬や食品添加剤の大量使用、遺伝子組み換え食品、食の西洋化やファースト・フードの普及による健康への影響等枚挙に遑がありません。

 また、産業構造の変化によって農林水産業が衰退し、これらの一次産業従事者が減少し、高齢化しています。このままでは瑞穂の国と言われた日本の将来は非常に危ういのではないかと思います。

 そして、何よりも問題なのは学校や家庭でも食育が十分なされていない結果、多くの日本人がこのような事実を知らないということではないかと思います。

 共生学舎では自分たちのできる範囲で様々な農業体験のイベントを開催すると共にホームページを通じて情報を発信することにより、食育の輪を広げる活動を推進していきたいと考えています。(中尾 直史)