「青丹吉 寧楽乃京師者 咲花乃 薫如 今盛有」
「青丹よし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」
(巻3・328)小野老

「あおもよし、あかもよし、すべてがすばらしい奈良の都は 満開の梅がいい香りを放っているように、いま真っ盛りで賑やかなことよ」

奈良の都は西暦710年から74年間、帝都として栄えたらしい。昭和時代が64年間だったからそれより10年長かったわけだ。

読み人の「小野老(おののおゆ)」が九州へ「太宰小弐」として下向の際かの地の歓迎会で読んだといわれる。
下向先の歓迎会で故郷を思い出して歌うとは・・・?
サラリーマンが転勤先で、「前任地は良かった・・・」と思い出話をしているのと同じこと。
私の場合は新任地に赴いたら、その地に惚れて前任地の話は禁句だよと教育された。

うたの枕詞として出てくる「青丹良し」の「あお」は宮殿等の「青瓦」、「に」は宮殿等の柱の「朱」のこと。
下の写真の「朱雀門」、一見の値あり。


朱雀門
*推奨コース=近鉄西大寺駅〜奈良文化財研究所・資料館〜平城旧跡・朱雀門〜遺跡展示館〜近鉄大宮駅
*所要時間=2〜3時間。