おみやげ物

ここではあまり知られていない満洲の土産物資料を展示しています。

浴衣生地 (その2)

これも当時の子供用浴衣生地のハギレです。
アジア号と書かれた満鉄の流線型機関車も描かれていますがこれはパシナ型蒸気機関車ではなく
1936年製のダブサ型になっています。実在した機関車ですがあじあ号の牽引機ではありませんでした。
しかし、絵は意外と忠実に描かれています。2人の子供が広げている地図は朝鮮半島が日本となっています。
北海道が省略されている点がご愛嬌です。

これは裏面に”満洲名物 聖地らくがん”とある木製のお盆です。らくがんは今でも和菓子店にありますが
聖地とはいったい何処の事でしょうか?私の勝手な想像では旅順の事ではないかと思っています。
残念ながら本来の名物菓子である”聖地らくがん”については正体不明です。
どなたかご存知の方、情報提供いただけるとありがたいです。
今となってはこのお盆に載って出て来たであろう”お茶とお菓子”を想像するしかありません。

聖地らくがん

土産物ではないかも知れませんが当時の子供用浴衣生地です。
満洲国内で作られたものか日本国内で作られたものかは不明ですが、戦時色の反映されたデザインに
なっています。満州国の国旗と満鉄のあじあ号も描かれています。
保存状態も良く、今でも浴衣が作れそうです。

硯(その2):龍雲石硯

上の説明文から龍雲石硯かと思います。表面に雲の様な模様があります。

安奉線 橋頭の硯(すずり)

安奉線の橋頭駅付近の渓谷では良質な
硯用の石が採れました。
橋頭駅前には”白雲堂”と言う硯店があり、
満洲国唯一の名産硯として日本の皇族にも
献上されていた様です。

ここでは現存している硯を展示しています。
これらは戦前に日本に持込まれたものです。

希少な満洲国製ですので 今となっては
知る人も稀な”幻の硯”と言えると思います。

説明文によると4種類に分類される様です。
(紫雲石硯はここでの展示はありません)

陶器製:小鳥型の笛

浴衣生地 (その1)

表面

当時、あちこちに看板も見られた仁丹ですが、
携帯用の専用容器がありました。
満洲国成立を記念して満洲国の国旗にちなんだ
デザインになっています。

なんと中には当時の仁丹も残っておりますが
さすがに食べる勇気はありません。
樹脂製でねじ加工がしてあり凝った作りの容器です。
今となってはなかなかの貴重品だと思います。
仁丹と共に日本国内で作られたものかもしれません。

箱書きの表にある通り、青雲石製の硯です。 
同じ白雲堂製ですが箱の外装が異なって
おります。蓋には金色で草花のシンプルな
デザインが彫られており中級品といった感じ
でしょうか?

当時の絵葉書より:安奉線 橋頭駅付近

右の説明文から翠雲石硯かと思います。

仁丹容器

それにしても見事な彫りの硯です。この石は緑色と小豆色が自然に層を成しており、それをうまく削り出す事で
部分的な色合いの変化が生まれている様です。蓋も美しい模様です。

林檎酒

大連付近はリンゴの産地として有名でした。そのリンゴを使って作った林檎酒も大連特産だったようです。
これはそのホーロー看板(両面)です。製造メーカーについての記載はありません。
ちょっとレトロな味のある看板です。(看板サイズ:W440xH330)

各都市で絵葉書がみられますが、これは
満洲観光者向けに作られた記念写真帖です。
表紙はもちろん満鉄のあじあ号になっています。
中身は満洲帝国の説明と各地から選ばれた
写真に簡単な解説を付けた構成となっています。

満洲大観写真帖

満洲大観写真帖の中身の一部を紹介します

硯(その3):青雲石硯

裏面

(21) ハルピン中央寺院 : ロシア的な寺院の前を市電が走っています。
今となっては当時の様子がわかる貴重な資料です。
掲載写真はいずれもカラー版になっています。

硯(その1):翠雲石硯

蓋表面にだけ自然の斑点模様があります。小型の丸い硯です。

満洲名物とありますが具体的な地名はなく場所の特定ができません。
どなたかご存知の方、教えてください。
尻尾を吹くと少し音が出ます。もしかすると水を入れたりするのかも知れません。
決して作りはよくありませんが素朴で小さくかわいい笛です。

硯寸法(蓋共):114×178×34