満鉄で使用されていた品々(その15)

列車速度測定表

列車速度を判定するための携帯式の速度判定表です。

測定方法は車外から通過列車の編成・両数(長さ)と通過時間
から測定する方式(見開きの右側)と列車に乗車している
人が一定通過時間のレールジョイント音又は電柱の数を
カウントする方式(見開きの左側)とがあります。

ある意味原始的ではありますがユニークな測定方法です。
これを見ると当時の基準レール長さは10m(32.8フィート)、
電柱間隔は30間(180フィート)とあります。
また、列車長さについては客車1両70フィート、貨車37フィート、
機関車70フィートとしています。これらをグラフ化して時速1Km
から最大時速500Kmまで記載されています。

左ページ中断には当時の機関車の概要が載っています。
当時の機関車の呼び名は軸配置により例えば
2C1型(パシフィック型)はパシ1から登場順に
1D1型(ミカド型)はミカ1からと言うように番号をつけてあります。
この表を見るとパシ1(パシイ)〜パシ4(パシシ)までで
”あじあ”に使用のパシ7(パシナ)はまだ登場しておりません。

定規の様なセルロイドの板が留めてあり上側に記載された
ジョイント音数や電柱本数による通過時間を重ねると下側に
記載の列車速度に換算できる仕組みです。

また、左中段には当時の使用石炭の産地別分析が書かれて
います。記載の種類は撫順A、本渓湖B、煙台Cの3種類で
各水分、揮発分、固定炭素、灰分、硫黄、窒素、発熱量が記載
されています。因みに発熱量はA:6783カロリー、B:9052
カロリー、C:7967カロリーでBの本渓湖産が一番高カロリーと
なっています。

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