海柘榴市(つばいち)

海柘榴市(つばいち)は、昔(むかし)から栄(さか)えたまちです。 山の辺(べ)の道、初瀬街道(はせかいどう)・磐余(いわれ)の道・竹ノ内街道(たけのうちかいどう)などの道がここに集(あつ)まりました。 仏教(ぶっきょう)が伝来(でんらい)したところともいわれています。

また、「枕草子(まくらのそうし)」「源氏物語(げんじものがたり)」 「蜻蛉日記(かげろうにっき)」などにも登場(とうじょう)します。

春や秋のころはわかい男女があつまって、たがいに歌を読みかわしあそびました。

紫(むらさき)は灰(はい)さすものぞ海石榴市(つばいち)の
八十(やそ)の街(ちまた)に逢(あ)へる児(こ)や誰(たれ)


〔紫(むらさき)は、灰(はい)をくわえて作るものです。 その灰(はい)を作る椿(つばき)にちなんだ海石榴市(つばいち)の、 道が八方に分かれている広場(ひろば)で出会ったあなたは、どなたですか。〕
12―3101

たらちねの母がよぶ名を申(もう)さめど 道行く人を誰(た)れと知(し)りてか

〔お母さんがわたしをよぶ名前を言ってもいいけれど、とおりすがりの人で、 だれかわからないから言えません。〕
12―3102

海柘榴市観音
海柘榴市観音(つばいちかんのん)
歌碑
歌碑(かひ)
海柘榴市観音
海柘榴市観音(つばいちかんのん)