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牙べし見(きばべしみ)
Kiba-beshimi


まさに名のごとく、結んだ口のの両端から二本の牙を出している金剛流特有の面であり、他のべし見の ように、眼をぱっと開かず眉根に太い皺を刻み、上瞼で半分隠れそうに上目使いに瞳を半球だけ現し、鼻の穴を大きく横にひらいた表情は、強者風でありながらどこかユーモラスなところがあります。  「鞍馬天狗」の小書「白頭」の時には、白頭にこの面つけることもあるようですが、いかにも年の功を経た天狗の首領らしい姿となります。なお、この面は、戦国の武将上杉謙信が川中島の戦いに際して、威力を示すためと流れ矢をさけるために、陣中で顔にかけたという 伝説をもっているようですが、その信義疑はよくわかりません。