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二十余(はたちあまり)
Hatatiamari


二十そこそこで命をおとした青年の哀れな表情。 「二十あまりの年波、かりそめに立ち離れしも、待遠に思いしに、またいつの世に逢ふべき」 という文章からの命名です。痩男の面が、冥土から出現する悪鬼として表現されているのに対し 二十余はどこまでも二十そこそこの若い年波で命を落とした青年のこの世に生きていた時の哀れな姿を表そうとした意図が 十分感じられます。金具のない目と口もとの生毛のような髭、額の弱々しい毛描きは、この面の弱い性格を適確に表現しています。