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不動(ふどう)
Fudo-


不動は密教における五大明王の主尊でありますが、忿怒相ゆえに悪魔降伏の威力を表現しています。ただ仏像の不動にくらべると、口を開けている点が違います。 金剛座に伝わる不動の面は、裏面が仏像をたち割ったようになっています。文禄三年禁裏の能で、氏正はこの面をつけて「調伏曽我」を舞ったとき、演能 後、この面は顔にくっついて取れなくなってしまいました。それを無理にとり外したため、鼻柱ゃ頬の肉の血が面にくっついていたので、この面は「肉付の不動」 とよばれ、金剛座の名物面となって現在に伝わっています。この面裏の血痕らしい褐色の斑点は、制作時に使用した檜材のやになのです。