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弱法師(よろぼうし)
Yoroboushi


人の讒言によって家を追われ、盲目の乞食となった俊徳丸を主人公とする「弱法師」の専用面。盲目の面は、瞳だけでなく目の型全体をくり抜くのが特徴。 家を追われた俊徳丸は「げにも此の身は盲目の足弱車の片輪ながら、よろめき歩けば弱法師と、名づけたまふことわりや」と謡曲の本文にあるように、悲しみのあまり盲目 なって天王寺あたりで、乞食の群れに身を投じていました。父は後に我が子を不憫と思い天王寺にやってきます。一方、俊徳丸は日想感にひたりすがると、心が高ぶり、盲目とならない以前の記憶がよみがえって、見えぬ目であたりの景色をめでながら、歓喜の狂乱を見せます。父はそこに我が子を発見し、喜びと悔いの 涙を流します。