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父尉(ちちのじょう)
Titi-no-zyo


現在では、「翁」の特殊演式あり『十二往来』あるいは、『父尉・延命冠者』のとき延命冠者と連れ立って登場する。 子孫繁栄をことほぐ老翁で造形的には白式尉に近いが、杏仁形で目尻のつり上がった目が、家父長的威厳を示している。顎髭のないものが多い。 父尉の舞は現在では、ほとんど見ることができません。よほど特別な催しに「十二月往来」あるいは「父尉・延命冠者」という特殊演出のとき、父尉と延命冠者とが連れ立って登場ことがあるくらいです。 世阿弥のころは父尉は世継の翁の父にあたり、家門繁栄、子孫繁昌を祝う老人であって、この二代の翁がうちそろって登場することによって、ますます目出度さを増すものでした。