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重荷悪尉 (おもにあくじょう) Omoni-aku-jo


女帝に恋いこがれ悶死した、卑しい老人の怨霊を写したのが「重荷悪尉」であります。 この悪尉の場合猛々しさはありません、目の瞳孔が天地俯仰するばかりでなく左右の外を見ているのは、 放心状態を思わせます。目の位置が高く、狭い額には、浮き立つ血筋の代わりに、苦悩の皺が刻まれています。

(井伊家所蔵の重荷悪尉の傑作の写し)