2010年度の主な変更点は次の通り。
<競技規則>
01.ポイント・システム
02.給油の禁止
03.エンジン交換
04.電動ジャッキ等の禁止
05.交代ドライバー
06.予選
<技術規則>
07.タイヤ
08.最低重量
09.ホイールカバーの禁止
10.その他
技術規則(テクニカル・レギュレーション)に大きな変更点があった昨季と異なり、今季は競技規則(スポーティング・レギュレーション)に大きな変更が加えられた。
注)以下の全記述は、筆者(ps-r)がウェブや雑誌などで調べたことをまとめたものであり、筆者の解釈が間違っていたり、理解不足により正確性を欠いている場合もありえます。また最新の情報が記載されているとは限りません。その点ご了承願います。
【1】ポイント・システム
今季から参戦チーム数が増加する事に伴い、与えられるポイントが以下のように変更となった。
順位 | ポイント |
---|---|
1 | 25 |
2 | 18 |
3 | 15 |
4 | 12 |
5 | 10 |
6 | 9 |
7 | 6 |
8 | 4 |
9 | 2 |
10 | 1 |
※昨季は上位40%にポイントが与えられていた(20台出走で8位までが入賞)が、今季は上位約41.7%に対してポイントが与えられる(24台出走で10位までが入賞)ので、その意味での数字上の大きな変化はないといえそう。
※また昨季は1位が10ptであるのに対し、2位に8pt(1位の80%)が与えられているが、今季は1位が25ptであるのに対し、2位に18pt(1位の72%)が与えられる事から、より優勝の価値を高めるポイントシステムに変更されたといえる。
【2】給油の禁止
1994年から認められていたレース中の給油が禁止される事となった。
◇趣旨
給油はリスクを伴う行為であり、実際に火災事故が発生したこともあった。禁止によりこのリスクから開放される。
また2ストップと3ストップのように異なる戦略を採るドライバーがいた場合、見かけの順位と実質的な順位が異なる事もしばしばあり、レース戦略の多様化によるエンターテイメント性の向上というメリットはあったものの、レースが複雑化して分かりにくくなっているとの指摘もあった。
今回の変更は、レースをシンプルに分かり易く見せる事を優先したものといえる。
◇影響
給油が禁止されることにより、以下の影響が出ると予想される。
<マシンへの影響>
<その他の影響>
【3】エンジン交換
1グランプリにつき2回以上エンジン交換する場合、当該グランプリと次戦で10グリッド降格ペナルティが科せられる事となった。年間8基まで使用可能とする規定には変更無し。
【4】電動ジャッキ等の禁止
給油が禁止されたため、タイヤ交換に要する時間を如何に短縮するかがレースに大きな影響を与える。このために電動ジャッキ等の様々な装置が用いられる可能性があり、モノによっては危険を生じうるため、マシンの昇降を補助する全ての動力装置が禁止された。
【5】交代ドライバー
シーズン中のテストは昨季同様禁止されるが、次の条件を満たす場合には1日のみテストが認められる事となった。
なお、テストが行われたにも関わらず実際にはドライバー交代が行われなかった場合には、翌年のシーズン前テストの日数が1日減らされる。
【6】予選
出走台数増加に伴い、「Q1では下位7台が、Q2では更に7台が脱落」と変更された。
Q3走行時に決勝スタート時の燃料を積む必要は無く、Q3の走行に必要な量の燃料を積めばよい(いわゆる空タンクによるアタックが認められる)。
<フロントタイヤのナロー化>【8】最低重量
給油禁止による燃料タンクの大型化に伴い、マシンの最低重量は605kgから620kgに引き上げられた。
【9】ホイールカバーの禁止
給油禁止に伴いタイヤ交換がより短時間で行われる事が予想され、交換時のトラブル防止のため。