本書目は、もと故龍門文庫主人阪本猷氏の蒐集した和漢の旧籍の中から善本を選び、解説を加えたものである。
そして、昭和27年11月に200部を限定出版して、各所へ寄贈したが、その後財団法人として保存並びに公開の途を講じ、30年近くたって、再版の必要が生じ、52年度から年次計画により綴込式分冊の増訂普及版(300部)を続刊した。
今回その5冊全部が完成したので、改めて1冊に合装し、新たに目次・索引を附し、序跋を添えて、ここに本製本(700部)を出版することになった。
解説はもともとのに若干改訂を加えた。
本書目には、もと附載として書名・冊数等のみを掲げた江戸時代絵入板本の部・南蛮の部にも略解を施し、図版をも加え、また補遺の部を新たに補った。
分類は、古写本の部は特に古写経の部を別に分かち、室町末期以前と慶長以後とに大別し、慶長以前の分は、整版の部と古活字版とに二分した。
又、自筆本の部の中、田村右京大夫宗永の遺書は多数なので、便宜これを一部に立てることにした。
シナ朝鮮の部は数は少ないが、古板本の部は一部に立て、古写の部は、敦煌経一軸のみであるから、本邦古写経の部末に附載した。
故文庫主人が愛蔵した永井荷風の著作初版書目並びに自筆稿本の部は書目のみを附載した。
各部の中の細分は、刊写の年代とその内容とによって適宜分類を施した。