・5冊。江戸初期写。毎半葉14行平仮名交じり。
・各巻首に、「紫明抄巻第(数)(巻名)紫雲寺隠侶素寂撰」と題し、各巻末に「紫雲寺隣侶素寂判」とある。
・巻3・4・8の末に至徳4年の書写に関する奥書があり、又、巻8末には貞治4年の奥書がある。
・その他、巻1と巻6の末とに暦応3年の源権大納言の奥書があり、更に巻1の末には元応元年12月15日施薬院使忠守の本をもって書写するよし、前員外亜相の識語を伝えている。
・すなわち、本書は、元応・暦応・貞治・至徳と伝写を経た江戸初期の書写本である。
・各冊首に「藤波家蔵書」及び「懐忠」(陰刻)朱印記を捺す。
・扇面梅花等の文様を刷った水色斐紙原表紙に紅唐紙の原題箋を存する善写本である。
・大きさ、縦28.5p、横20.8p。