今回やってきたセブンは、エンジンがかから ないとのことです。
かからない理由はすぐに分かり、燃料ポンプ を交換して瞬間終了?です。
けれども、おあわせてエンジン不調を調べて みましょう。
分解する前に、詳細なエンジンチェックを施 します。 タペットクリアランスや2次電圧系統、エンジ ン圧縮も調べてみましたが、どれも不具合 ありません。ここまで調べると後は分解して の調査になります。
バタフライは特に摩耗や歪みが無い限り、 不用意に外すとババ(一般的にはドツボとい いますが)になるので、バタフライバルブを残 してジェットやベンチュリーを全部取り外しま す。洗浄液で念入りに洗って、溶け落ちたイ ンナーベンチュリーは新品に交換して、バタ フライのバランスを確認しながら組み付けま す。
じゃ、なぜ溶けたのか?
エンジン本体やキャブレターの問題はなかっ たようです。考えられるのは燃料ポンプ。
機械式のポンプが壊れるのは珍しいのです が、スプリングが折れていても回転数でカバ ーして適当な吐出量があったみたいで、"死 にかけ状態"で燃料が薄いまま回り続けた のでしょう。エアクリーナーも燃えていました ので、かなりのバックファイヤーがあったと 思います。
まず一番気になるのが、ウェーバーキャブレ ターを支えているボルトが1本折れていま す。 さらによくよく見てみると、1基だけキャブレタ ー内部の部品が溶けています。こんな現象 を見たのは今まで初めてです。インナーベン チュリーとうアルミ製の部品ですが、全体に 真っ黒になって先端部分は溶けだしたソフト クリームのような状態です。これは事件の予 感がしてきました。(笑)
作業後のテスト走行でも、この個体はとてもトルクフルな部類で
元気になりました。