少年樹
「子どもの頭やからだから芽が生えて、やがてそれが大きな樹木になっていく」というイメージは常に私の中にあった。それはとても静かで、健やかで、そして何より美しかった。
子どもがさっぱり子どもらしくなくなった。それは決して子どものせいではない。子どもの心の闇は、大人の影に他ならない。
子どもに内在するいのちの躍動感は、自然とふれあい、五感を通して味わう体験の中で培われるものだ。
「教育」という名のもとに加えられる剪定や消毒は、果たして子どものいのちの芽生えが「そのいのちのままに」育つことを助けているだろうか。
「学校」は「尊敬」や「信頼」という学びの根っこを失い、「奉仕」や「貢献」という学びのもたらす真の果実を求めなくなった。「人間」を育てず「人材」を作ろうとする浅薄な目論見は、荒れた杉山のごとく花粉をまき散らすような結果をもたらすばかりだ。
「材」を求めれば「等級」をつけたがり、そこには、「規格」や「基準」が生まれる。これこそが、「子どものいのちの尊厳」を大いに傷つけているのだと気づいて欲しい。
子どもは大人の幼虫でもなければ、子どもの時代は大人になるための準備期間でもない。子どもは「子どもの今」を生きている。子どもが子どもらしく「子どもの今」を生きてこそ、大人になっての未来がある。
「子どもである自分」を確かに生き抜いてきた子どもは、大人になってたとえ失敗しても、それを「誰か」や「何か」のせいにしたり、それを傷つけたり、破壊したりはしない。まして、自らいのちを絶つことはしない。
私は父親として三人の子どもを見つめ、小学校の教員として何百何千という子どもたちと関わってきた。いくつもの忘れられない表情や動きがある。そういう記憶をもとにこのシリーズを描いた。色やかたちが伝えるもの以外に、そんな子どもたちと私の間にあった空気のようなものを感じていただけると幸いである。
※A4 オリジナル作品
ご希望の方には、オーダーメイドにより、 国産の桐・檜・杉材の額(松永ひろし制作)に入れて販売しています。材料と絵を選んでいただいてからの制作になるので、多少日数がかかります。
額込み 18.000円









ご連絡はEmailで salt@kcn.jp