在日外国人(主として韓国・朝鮮人)児童生徒に関する指導指針
昭和61年 6月16日
奈良県教育長通知

 本県の各校園においては、人権尊重の精神に基づき、国際理解を深め、国際協調に努める態度の育成を目指す教育を推進しているところである。
 しかし、我が国の社会には、今なお外国人に対するさまざまな意識が見られ、なかでも在日外国人の大部分を占める韓国・朝鮮人に対しては、歴史的経緯により生み出された民族的偏見や差別が根強く存在している。
 このことが、児童生徒の在日韓国・朝鮮人に対する意識の形成にも影響を与えているとともに、在日韓国・朝鮮人児童生徒の多くが、自ら本名を名乗れないまま生活を送らざるを得ない状況をもたらしている。
 これらの課題の解決を図るために、我が国の社会に存在する差別意識の払拭とあいまって、すべての児童生徒が互いに理解を深め、人権を尊重し合うとともに、在日外国人児童生徒が安定した学校生活を送ることができるよう、下記事項に留意して指導に努めるべきである。
1.在日外国人の児童生徒が我が国の学校に在学している歴史的経緯を正しく認識させ、在日外国人に対する偏見や差別をなくすことに努める。
2.在日外国人の児童生徒が偏見や差別にうちかち、強く生きぬく力を養うよう指導に努める。
3.すべての児童生徒に、互いの国の生活や文化などについて正しく理解させ、共に学び、共に育つ集団の育成に努める。
4.在日外国人の児童生徒の学力の向上と進路指導の強化に努める。
5.在日外国人の児童生徒に関する指導を一層深めるために、指導力の向上に努める。


戻る