第34回天理市人権教育研究大会 ― 各分科会の概要 ―

各所属の実践を交流!
2005年1月19日(水),第34回天理市人権教育研究大会が,丹波市小学校と山の辺小学校を会場として開催されました。参加者は400人を超え,15の分散会に分かれて実践報告や討議を行い,様々な成果や課題を確認しました。

第1分科会「人権・部落問題学習」
第1分散会 / (報告所属)山田保育所・櫟本小学校
1-1分科会 保育所,小学校と校種は異なるが,「自分を見つめる。自分を出す。認めてもらう」等自尊感情を育てることがめざすところであると確認できました。課題としては,保幼小中の連携の大切さや校内では学年間のつながりを考えた年間計画を作成して人権教育を推進することであると話し合いました。

第2分散会 / (報告所属)前栽幼稚園・福住小学校
1-2分科会 討議では,◎心の居場所を確保するには− ◎その子らしさを表出させ受けとめるには− 等について話し合いました。そして,子育て支援の必要性や親同士をつなげていくことの大切さと課題,友だちに認められることが自分の居場所を見つけることにつながった事例等,各所属の実践を交流し合いました。

第3分散会 / (報告所属)柳本小学校・夜間中学
1-3分科会 グループ討議では,
  • コミュニケーションを上手にとれないことから起こるトラブルがほとんどであること
  • 話し方のスキルトレーニングが必要であること
  • 言語は文化の入口であり母国語の保障が大切であること
等が話し合われました。

第4分散会 / (報告所属)朝和小学校・山の辺小学校
1-4分科会 討議から以下のことが確認されました。
  • 教師の心の余裕からでる言葉かけが子どもの受容感覚を高めること。
  • 個々の自尊感情を高めることが集団を育て教師にも余裕を生むこと。
  • 自尊感情を育てるには、幼児期も含めての長期にわたる粘り強い取組が必要であること。

第5分散会 / (報告所属)丹波市小学校・北中学校
1-5分科会 全体討議では,人権総合学習の中で身につけさせたい最終目標や具体的なスキルについて意見交流することができました。また,性教育の実践を校種間で交流することができ,連携して取り組むことが大切であると確認しました。

第2分科会「進路・学力保障」
第1分散会 / (報告所属)嘉幡保育所・朝和幼稚園
2-1分科会 討議を通して,以下のことが大切であると確認しました。
  • 一人一人の発達を理解し教材を選んでいくこと。
  • 子どもの思いを受けとめ内面を理解することが心の安定につながること。
  • 教職員あるいは専門機関などの連携を活かしながら子どもにかかわっていくこと。
  • 保護者とともに子育てしていく上で子どもの良いところや保護者の良いところを認めていくこと。

第2分散会 / (報告所属)前栽小学校・西中学校
2-2分科会 2本の報告を受け,各所属での実践や課題についてグループ討議を行いました。総合学習のねらいや取組,小中学校の具体的な連携,コミュニケーション力の育ちのあり様など子どもの実態も出し合いながら様々な意見が交わされました。改めてあらゆる活動の基盤となる力(自尊感情、コミュニケーション力など)を15年間の子どもの成長を見通しながらいかに育てていくかが今後キーポイントであることが確認されました。

第3分科会「共生教育」
第1分散会 / (報告所属)福住幼稚園・山の辺幼稚園
3-1分科会 討議では、交流を含め、様々な意見交換がされ,以下のことを確認できました。
  • 一人一人を大切にし保護者と連携していくことと連携の仕方が子どもの成長発達に重要である。
  • 日頃から,子どもや親の思いに寄り添い受けとめていくことが大切である。
  • 共感しながら,相手の気持ちをわかりたいと思える友だち関係づくりが大切であり,そのための教師の役割が重要である
  • 教師同士が話し合い,同じ方向を向いてどんな努力をしていくかが重要である

第2分散会 / (報告所属)二階堂幼稚園・天理小学校
3-2分科会 グループ討議の中で以下のような意見を交流しました。
  • 子どもをつなげるには,子ども同士はもちろん,教師の姿勢や親との連携も大切である。
  • 個性(違い)は知らせるものではなく共に生活する中で感じていくものであり,どのように出会わせるかが重要である。
  • 目に見えにくい障害の伝え方が課題である。

第3分散会 / (報告所属)柳本幼稚園・二階堂小学校
3-3分科会 討議の中で以下の内容が交流されました。
  • 声がけから始まるコミュニケーションの大切さ。
  • どの子も真ん中に据え,担任だけではなくみんなで見守っていく。一人では無理なこともみんなで見るという姿勢があれば万全である。
  • 本人の思いを汲んで先に動くのではなく,本人からの声がけを待つことで本人の力がついてくる。
  • 教師,保護者,地域のつながりが大切である。

第4分散会 / (報告所属)井戸堂小学校・南中学校
3-4分科会 討議の中では,平和学習の資料として『なかま』の写真,インターネットの写真・図書もあるが,校区にある墓石を調べることで,平和につなげていくことも可能であるという実践が出されました。また,「ちがいのちがい」カードは小学校でも取組は可能ではないかという意見もありました。

第5分散会 / (報告所属)櫟本幼稚園・天理中学校
3-5分科会 報告や討議を通して以下のことが確認できました。
  • 子育ての基本は保・幼・小・中全て同じである。
  • 子どもとの信頼関係のみならず親との関係,親同士の関係を深めることで地域全体のつながりが広がっていく。
  • 「不登校」「別室登校」の問題について,教師自身が情報の収集・交換・交流を行う役割を積極的に担うことが大切である。

第4分科会「子育てと地域ぐるみの教育」
第1分散会 / (報告所属)北保育所・天理幼稚園
4-1分科会 討議では,親支援や地域子育て支援をどのようにしているか,保・幼・小・中・地域の連携をどのように進めているかについて交流しました。様々な体験を通して,子どもたちの豊かな心が培われることを確認できました。また今,子どもたちにつけたい力を明らかにして行事の精選をすることが大切であることも確認できました。

第2分散会 / (報告所属)中央保育所・丹波市幼稚園
4-2分科会 全体討議では,各所属の子育て支援の取組を交流しました。保育所から,保護者の就労やニーズにより保護者と向き合う時間が少ない中で,いかに保護者とつながっていけるかという課題が出されました。また,自尊感情を高めることやコミュニケーション能力の育成,なかまづくりをめざした職員の連携の大切さなどについても話し合うことができました。

第3分散会 / (報告所属)南保育所・井戸堂幼稚園
4-3分科会 報告を受けて後のグループ討議では,各所属の子育て支援や地域連携についての取組の交流ができました。その中で,子どもを中心に地域や保護者とつながることの大切さ,地域の連携を継続的な取組として深めていくことの大切さなどが確認できました。



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