2003年の夏,人権・部落問題講座が開催されました。
のべ380人が参加し,熱心に研修できました。

□ A講座 7月30日
   「生活と労働と教育を結ぶ実践へ〜人権教育白書づくりからのスタート〜
   田和貞保さん(奈良県解放センター事務局長)
田和貞保さん子どもの生活背景を親のくらしと仕事の両面から具体的に捉えること,白書づくりを通して教育課題を見いだしていくこと,そして教職員の人権感覚を高め,鋭く意識変革していくことの大切さを指摘されました。また,教職員が今日の社会に対する認識を確かにすることの大切さも指摘されました。部落問題を自分自身の問題として誠実に受け止め,エネルギッシュに反差別の生き方をされている田和さんから,同和教育の教訓がひしひしと伝わってきました。今後の私たちの実践のあり方を様々な視点から示唆していただき,多くを学ぶことのできた講座となりました。

□ B講座 8月 7日
   「カンボジアのこどもたちがおかれている現状と人権」
   栗本英世さん(カンボジアこどもの家代表)
栗本英世さんカンボジアが自立の途上にある中で,子どもたちの人権が侵害されている厳しい現状を示されました。そして,「慈悲魔」という言葉を用いられ,よかれと思って行う行為が支援される人々の自立や人権を阻害することもあると,具体的な事実を挙げて話されました。真の支援とは何かを深く考えさせられました。カンボジアの自立のため,子どもたちの命や教育を保障すべく取り組んでおられる栗本さんの姿に,同和教育の源流を見いだすことのできた講座でした。

□ C講座 8月12日
   「教育現場における音楽療法」
   高本恭子さん(音楽療法士)
高本恭子さん楽しいときには楽しい曲,悲しいときには悲しい曲を聴くことが基本であることなど,音楽療法の理論をわかりやすく説明していただきました。また,人(子どもたち)の心を癒し,生きていく力を引き出すために適切な曲を,その人のおかれている状況や感じているストレスに応じて,様々な例を挙げて多数紹介していただきました。実際に歌を歌ったり,聴いたりの講演で,すぐに保育や教育の現場で活用できる内容を教えていただいた講座となりました。


戻る