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私のスケッチ技法

1.ペン描き彩色画法
スケッチペンなどで線描きをし、その上に色をのせてゆく画法で、仕上がりの段階では線はっきり残ります。鉛筆、消しゴムは使いません。
それでは、最初、鉛筆で形をとり、消しゴムを使って形を整えた後、その上をペンでなぞつたらどうか、ということですが、確かに、その方が形は整い易いと思います。
ではなぜ、あえて 最初から消せないペンで描くかということですが、 その理由は、次の二点です。
第一は線が主役の絵においては、線の勢いが命だからです。鉛筆の線をなぞったペンの線からはどうしてもこの勢いが出てこないのです。 二つ目は、時間の問題です。最初、鉛筆で描き、その上をペンでなぞり、更に、消しゴムで鉛筆を線を消す。 この段階で、二倍以上の時間を要します。絵は早く描けば良いものではありませんが、いろいろな状況で、早く描ける利点は確かにあります。
次に、ペン描きの欠点ですが、勿論、一度描いた線は消せないということです。つまり一発勝負です。そのためには、正確なデッサンができるための練習も必要となるわけですが、それより、 すこしくらい、形が悪くてもそれで良しとする開き直りと言うか、そのままなんとか絵にしてしまう力のようなものが必要になってくるわけです。言い方をかえれば、 ペン描きの欠点を逆に利点に変えてしまうところにこの画法の魅力があるとも言えるでしょう。
次項以降でこの点についてもう少し詳しくのべます。