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2、線と色のハーモニー
前項で、線の勢いについて述べましたが、私は彩色にも勢いが必要と思っています。
普通、絵を描くとき、線で形をとり、それに合わせて色を塗る。(塗り絵のように)をイメージするかもしれませんが、 それでは、色の勢いは生まれません。色は色の意思をもって、線と協力して作品を作るというのが、あるべき姿ではないかと思うのです。
結果的には、色は線で囲まれた範囲を隙間なく塗るのではなく、線に重なったり、離れて隙間ができたりすることになります。つまり線で十分に表現できなかったところ、あるいは間違ったところを色が 補完していくこととなります。
よく、色は塗るのではなく、置くのだといいますが、私の場合、筆を走らすといった感じで、一度塗ったところを帰りにもう一度塗ることはなるべくしないようにしています。
基本的に二度塗りはしません、それでも色と色が重なり合うことはあります。しかし、紙の上で混色をすることはありません。 つまり、色も線と同じく、一発塗りです。そして、色は原則混色して使いますが、一発塗りをしようとすれば、塗る前に慎重に試し塗をする必要があります。
そのため、いつも使っている紙の切れ端に何度も試し塗りをしています。実はこの時間の方が実際に塗る時間よりはるかに長いのです。 r