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私のスケッチ技法

4、彩色について
普段持ち歩く絵具の色についてです。
絵を描き始めたころは、18色あるいは、24色のセットを携帯していましたが、間もなく、その中で殆ど使わない色があることに気づき、使わないものは減らしていきました。
そして現在は、10色以下となりましたが、一枚の絵に、実際に使うのはその中で、殆ど3色です。つまり、赤系、青系、黄系です。
具体的には、クリムソンレ−キ、ビリジャン、イエローオーカーです。ただし、建物を主体に描く時期(主に冬場の奈良町を描く1〜3月)はこれが、バートアンバー、ウルトラマリン、イエローオーカーに変わります。
例えば、ホルベイン透明水彩絵具は100種類以上の色数がありますから、その中から自分がよく使いそうな色を20〜30種類選んでパレットに並べておけば、あまり混色しなくても、通常のスケッチには対応できるわけですが、 私が色数を絞るには、それなりに訳があります。
これは好みの問題かも知れませんが、一つの画面に使う色数を少なくした方が、色彩から受ける安定感が増すと感じるからです。(例えば、版画)
それから、透明水彩は一度塗ってしまえば、 ガッシュや油彩のように上から塗りつぶすことができません。そのため、その色が紙面に塗られたときの効果をあらかじめ知っておくことが必要ですが、色数が多いとそれが大変です。
色も人間と同じで、性格がそれぞれ違います。誰とでも仲良くするものもいれば、気難し屋もいま す。これをあらかじめ知るには、少ない相手と付き合う方がいいわけです。 以上のような理由から、私は、パレットにある色をなるべく少なくし、混色を主体にして描いています。
では、上記の色を使ってどう彩色しているかについては、次項で説明いたします。