3.片岡梅林(Mar.2022)

梅は、3月の初めから咲き始めますが、絵にして面白い紅梅は少し遅れて、3月の後半になります。年によって違いがありますが、おおむね、第3週のスケッチの頃が描きときです。
又、同じ時期に、辛夷(こぶし)も咲きます。少し黄色がかった白ですが、1,2本、紫のものもあり、又違った色どりを見せてくれます。
毎年、冬の間、奈良町を描いて、初めて花のある風景のスケッチが奈良公園で唯一の梅林である片岡梅林ということになります。
かつて、ここのスケッチの魅力のポイントの一つとして、円窓亭がありました。茅葺の黒い古風な建物は、明るい梅の描写の背景として、又、丸い窓を透してちらりと花が見えたりと貴重な存在でありました
その、円窓亭は2020年の春に解体され、春日大社神苑萬葉植物園に移設されました。その後長い間、見ることができなかったにですが、現在、移設工事がほぼ完了し、園内にその姿を見ることが出来ます。
先日(3月23日)その姿をスケッチすることができました。工事関係者によれば、私の絵が、移築後のスケッチ第一号だそうです。新しい円窓亭の姿は、屋根の葺き替えは勿論、丸い窓のすべてには障子張りとなり、 専用の玄関が新設され、玄関と建物との間は階段つきの渡り廊下まである。今まで長年見慣れた円窓亭とは、まるで違った雰囲気となっておりました。