奈良スケッチNOTE

4.奈良公園の桜(Apr.2022)

毎年、4月の前半は桜を描いています。桜の咲く順番は、先早咲きのしだれ桜から始まり、次に、染井吉野、そして、遅咲きのしだれ桜と八重桜ですが、 八重桜も一部に早咲きがあり、殆ど染井吉野と同時に開花するものもあります。
咲く場所は、早咲きのしだれ桜は、氷室神社と博物館の仏教美術資料センター前で、片岡梅林の紅梅が咲くころには咲いています。染井吉野は主に春日野園地と東大寺東塔跡、 大仏殿、浮見堂あたりなど各所に咲きます。遅咲きのしだれ桜は正倉院前の「おかっぱ桜」が有名ですが、近年老化が進み開花の隙間が目立ってきました。 八重桜は、奈良八重桜、奈良九重桜の他、種類は豊富で江戸三やいらか別館の辺り、北円堂の前の他、各所で見られ、あちこちで染井吉野の中に混じっています。
奈良公園の桜は、20年程前から毎年描いていますが、前述の「おかっぱ桜」の他に氷室神社のしだれ桜など、全体的に老化が進み、開花の勢いが落ちてきただけではなく、 各所で伐採され、浮見堂あたり、吉城川沿いなどには桜の古木の切株がよく見られます。 特にこの傾向は最近著しく、例えば10年前の浮御堂のスケッチを現状と比較するとよくわかります。
一方、最近では桜の若木の植樹が進められており、春日野園地や飛火野。外に浮雲園地、大仏殿裏などでナンキンハゼを伐採した跡に植えられています。これらの若木が今年は 花をつけ始めており、桜は成長が早いので、数年の内には来場者の眼を楽しませてくれるものと思います。