奈良スケッチNOTE

5.新緑(May.2022)

桜の次は、新緑で、毎年一番に描くのは、飛火野。この時期、季節があっという間に過ぎて行きます。景色の変化は早く樹々や山の色が数日で変わります。 飛火野では、この頃いつも、藤(ふじ棚の藤でなく、山藤です)を描きたいと思っているのですが、 近年、山藤は衰退の一途をたどっているようです。毎年五月には必ず描いていた小川沿いの山藤が立ち入り禁止になったことも影響が大きく、この数年、殆ど諦め状態です。
飛火野の真ん中に、この場所の象徴のようなナンキンハゼの大木があり、ここのスケッチには欠かせない存在ですが、一昨年頃から奈良公園のあちこちでナンキンハゼの伐採が進んでいる ことから、この木もいずれ伐り倒されるのではないかと懸念する声がこの頃よく聞こえてきます。それだけは勘弁して欲しいと切に願っています。 他に、新緑の季節に毎年描くのは、手向山八幡宮で、赤い社と新緑のコントラストがスケッチ心を誘います。赤い社寺は他にもあるのですが、許可申請が必要な場所がほとんどで、 ここは貴重なスケッチポイントです。しかし、奈良公園内でスケッチを始めた20年程前はどこでも自由に描けたことを考えると、ここもいつまでこの状態で描けるか心配です。 新緑の候。心配事の多いこの頃です。