尖ったばらの枝でぼくの喉を突き破った
ざわめきたった裏庭の肋骨
アーチの影に祈りは放棄された

きみは酷い顔をしているね
何がそんなに怖いの
まばたきを忘れた目が
ぼくの頬をなぞる

血だまりが底をなくしてゆくあいだ
暮れる空に一番星が出たよ
黒ずむ菫色たち
ぼくの代わりにこの子を抱いて

あどけない肌に
落ちた陰湿な青葉
怖れるな
忘れてゆけ
ひとつの終わりが閉じ込められる

ばらのため息は静脈を打った
きみが顔をおおっても
美しいままの世界が放っておかない





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