閉じられた扉のむこう
薄い緑色のタイル
壊れたままの蛇口
乾いた排水溝
鍵なんてさいしょからなかった
僕はどこへでも行けたはずだった
もう、そんなことすら忘れて
君をなじる
空っぽの薬ビン
破れた医学書
僕の病気は治せない
それでも白に縋ってた
神の手を待ってた
水が出ないんだ
何もかもが乾いているんだ
それでもやはり、
この足は動いたりしない
許せないなら
その手でぶってくれてもいい
だけど汚すな
こんな、毒のまわった僕の血で
その白い手だけは
汚すな
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