乾いた空気
吹き抜けてゆく風の音
光が痛いほどだけど
もうすぐ雨雲だって現れる

柔らかな土を掘り返して
ここを自分の墓にしよう
こんなに優しい場所を
他に知らないから

せめて、せめて、
あの冷たくて暗い水底に戻らずにすみますように
獰猛な魚に肉を啄ばまれるのではなくて
あたたかな土の中で
眠るように
根の養分になれますように

掘りつづける場所は
うまく穴にはならない
それでも、それでも、

腐りはじめた花
白いツツジ
空に帰る鳥
洗いたてのシーツの影
光あふれる庭の端で、緑色の声が聞こえる





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