僕は海を知らない
あの匂い 色 温度
何にも触れることができない

産まれ 飲み込み 吐き出し続けている

空と海の境界線
青の世界の真ん中に
僕の小さな海を帰してあげるよ

僕は海を知らない
だけど知っている

海の記憶のなかに
かなしみを吐き出しながら
溺れても 生きる

僕らは
とうに背負わされている
そうして投げ出された





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