わら半紙に君の声を模写した
折れた芯は種のよう
制服を脱がす手は蔓のよう

教室のかたすみで
透明な約束をばらまいていく
拾えない手がもがきあって
傷を増やすばかり

折りたたんだ絹のスカーフ
深緑の森のにおいをこぼしながら
おぼつかなく結ぶとき
君の声は もう逃げて行くだけ

教科書のあいだにはさんだ遺書に
誰も気付かない
もうさみしくない

それだけで生きていける気がしてた
青の記憶
まぶたの向こう側と同じ色をしている





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