憐れみの陽射しにうちぬかれて
真白い天井に影をうつす
憂う瞼のうらには何もない

隠れても、隠れても、
辿ってゆけるのよ
ひかる帰路 絡め取りながら
いつだって
温かな土のなか 潜るように

柔らかな温室 撫ぜながら
ふたりが孕んだ午後の種を食む
植えたからだも
はやく芽吹けばいいのに
何度も何度も 終わりがくればいいのに

庭師の鋏が かたりと落ちる
僕らの目覚めは
その音だけ
真白いせかいに ふたりの影しかうつらない





<<