だけど君は僕の血に気付いたね
ひた隠しにしてきたただの吐瀉物に
君だけが気付いた
僕は僕のことばを破いていく
無力なのはこの舌
そして舌状の音 、
読み尽くした詩集に
君は毒をこぼした
草原の真ん中で
臆病な僕の口にも
蒼白な世界の子宮にも
誰かの凶器が僕を切り付けて
だけど僕の返り血は何を汚したの
にせものの光を剥がしながら
誰をやさしく抱いたの
殺したいわけじゃなくて、
憎みたいわけじゃなくて、
茅花が揺れている
風がどこからくるのか知らない
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とどかない痛みのために(http://kratzer.fem.jp/sm/)