たとえば、何も書けなかった日記帳の昨日のページだとか、最終巻だけを抜き取った本棚だとか、きれいに拭いた夜の食卓だとか、めくり忘れた先月のカレンダーだとか、裏庭に落ちた白昼夢の影だとか

そういう淋しい空白がずっと欲しかった





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