いちばん優しい存在になりたくて
僕は喋りたいのを我慢する

真夜中になって
その顔をあげて
夜行性のその目で
君が
僕を見つけることができたら
もう奪うよ

最初で最期
はじまることを忘れた恋が
少しずつくすんで
汚いものになって
そういうふうに変わってゆくことをずっと、
本当はずっと
望んでいたのかもしれないって
思ってた
君を抱きしめた

掴みそこねたもの
たくさんあるよ
くちびるに縫いとめた余白に
君の視線が落ちる

言って良いの、
ためらわなくて良いの、
卑屈で、残忍で、救いのないこれの正体が
君の想像どおりだったら
笑ってよ





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