海部陽介『人類がたどってきた道−“文化の多様性”の起源を探る』(NHKブックス)
<目次>
はじめに−人間の文化はいつ多様化したか
プロローグ
世界中に分布するヒト 『銃・病原菌・鉄』 モンゴロイド・プロジェクト
第1章 ホモ・サピエンス以前
一つではなかった人類の系統 ホモ・サピエンスとは誰か
ホモ・サピエンス以前の人類史 石器文化の発展
第2章 ホモ・サピエンスの故郷はどこか
一九八〇年代以前 多地域進化説 アフリカ起源説 化石が示唆する過去
遺伝人類学が復元する過去 年代測定が揺さぶる解釈 ジャワ原人の運命
決定的な証拠 新しい動き
第3章 ブロンボス洞窟の衝撃−アフリカで何が起こったのか
変わるMSAの位置づけ 革命はなかった 世界最古の「模様」
「模様」の意味−シンボルを用いる行動 世界最古のアクセサリー
シンボルを用いる行動の起源 最古の埋葬 旧人によるシンボル操作
骨器の登場、漁のはじまり 古さは本物か ブロンボスは特異な遺跡か 石器技術
現代人的行動のリスト−再びホモ・サピエンスとは何か 言語の進化
第4章 大拡散の時代
知の遺産仮説 現代人的な行動能力の遺跡証拠 大拡散 祖先たちが歩いた世界
拡散は何回起こったか、なぜ拡散したか
第5章 クロマニョン人の文化の爆発−西ユーラシア
地底に眠る大遺跡 クロマニョン人の発見 ネアンデルタール人の姿
偏見からの解放 上部旧石器文化 狩猟活動 石器、骨角器、土器のスペシャリスト
機能的な住居 社会間ネットワーク クロマニョン人たちの芸術活動
壁画はどうやって描かれたか 何が描かれたか なぜ描いたのか 芸術の爆発?
ポータブル・アート 最古の楽器 文化のダイナミズム ネアンデルタール人の埋葬
謎の文化の主 ネアンデルタール人の本当の姿 消えたネアンデルタール人
クロマニョン人はどこから釆たか 上部旧石器文化の終焉
第6章 人類拡散史のミッシング・リンクー東ユーラシア
ミッシング・リンク 中国の旧人とスンダランドの原人 カフゼーとスフールの謎
沿岸移住仮説 日本列島の重要性 山頂洞人の発見 ヨーロッパとの共通点
ないはずの石器 儀礼を伴う埋葬 芸術活動 大陸南方の文化
モンゴロイドの集団 アイヌとネグリト モンゴロイドの特徴の由来
アジア集団の形成 日本人の二重構造性 誰が一番進化したか?
後氷期の東ユーラシア
第7章 海を越えたホモ・サピエンスーニア・オセアニア
海の向こうの有袋類の国 ニア・オセアニアという概念
現われ、消えたサフルランド オーストラリアのアポリジニ
どうやって海を越えたか? 渡来の年代論争 巨獣たちの絶滅
世界最古の航海の背景 渡来してきた人々 頭骨の人工変形といくつかの世界最古
スピーディーな拡散? 氷期のオーストラリア 新しい文化要素の起源
タスマニア島で起こったこと ディンゴを連れてきた人々
アポリジニのロック・アート 赤道直下の巨大な島
ニューギニアの文化と農耕の起源
第8章 未踏の北の大地へ−北ユーラシア
人類未踏の地 寒冷地克服の条件 ロシア平原への進出 マンモスの骨の住居
メジリチ遺跡 スンギールの豪華な墓 シベリアの大地 シベリアの先住民族
北方モンゴロイドの成立 シベリアへの本格的進出 マリタ遺跡 細石刃の登場
極地への進出、さらなる東への道
第9章 一万年前のフロンティアーアメリカ
アメリカ先住民 先住民のルーツ 消えた平原べリンジア 超巨大氷床
最古のアメリカ人論争 クローヴィス文化 南アメリカの魚尾形尖頭器 大絶滅の謎
一万年前のフロンティア
第10章 予期しなかった大躍進−農耕と文明の起源
狩猟採集か農耕か 後氷期 農耕はどのように起こったか
食糧生産を行なわなかった人々 アフリカのその後
第11章 もう一つの拡散の舞台−リモート・オセアニア
大拡散の最終章 リモート・オセアニア 島の環境 ヨーロッパ人による太平洋探検
彼らの故郷はどこか カヌー文化揺藍の地 ホクレア 古代カヌーの発見
拡散した人々 ラピタ集団のメラネシア拡散 ミクロネシア、小笠原諸島への拡散
ポリネシアへの拡散 拡散を終えて
エピローグ
歴史を方向づけてきたものは何か 文化の多様性とは何か
参考文献
あとがき
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