「御祭行事次第」


縄棟祭 春日野のお旅所にて
十月一日午前十一時 神職並工匠お旅所前に着く
 次 修祓(しゅばつ)
 次 神饌を供す
 次 工匠奉幣
 次 祝詞を奏す
 次 工匠拝礼
 次 神饌を撤す
 次 退下
大宿所祭 市内餅飯殿町大宿所にて
十二月十五日
 午後四時半 み湯立の式
 午後五時 権宮司(ごんぐうじ)以下所定の座に着く
 次 修祓
 次 禰宜(ねぎ)以下神饌を供す
 次 権宮司奉幣
 次 権宮司祝詞を奏す
 次 神楽を奏す
 次 大和士参勤春日講役員他玉串を奉りて拝礼
 次 禰宜以下神饌を撤す
 次 退下
宵宮詣 春日若宮続いて本社にて
十二月十六日
 午後二時頃 願主役一行奉幣
 午後三時頃 田楽座拝礼の後、田楽を奏す
宵宮祭 春日本社続いて若宮にて
十二月十六日午後四時 宮司以下本社中門御廊(おろう)の座に着く
   権宮司神木を棒げて獅子の間案上に安置す
   権禰宜神前灯籠に点火す
 次 修祓
 次 権宮司以下神饌を供す
 次 宮司祝詞を奏す
 次 権宮司以下神饌を撤す
 次 宮司以下退下
 次 宮司以下若宮に参進
   権宮司神木を捧ぐ
 次 拝舎(はいのや)の座に着く
 次 権宮司神木を本殿大床左側(さそく)に安置す
   権禰宜神前灯籠に点火す
 次 権宮司以下御戸開(みとびらき)の神腰を供す
 次 宮司祝詞を奏す
 次 権宮司以下神饌及案を撤す
 次 権宮司神木を本殿大床中央に安置す
 次 禰宜御幌を奉仕す
 次 宮司以下拝舎を退く
 次 神楽殿(かぐらでん)細殿(ほそどの)の座に着く
 次 神楽を奏す
 次 退下
遷幸の儀 若宮よりお旅所まで
十二月十六日早旦 お旅所行宮を装飾し神宝を奠す
 午後二時 お旅所行宮修祓
 午後十時半 初度(しょど)の案内を告く 諸員参集
   若宮石段下に於て伶人初度の乱声(らんじょう)を発す
 午後十一時 第二度の案内を告く 諸員用意
   伶人第二度の乱声を告く
 午後十一時半 第三度の案内を告く
 次 参進  是より先手水の儀あり
   宮司以下神職 神人 供奉員
   斎館より二の鳥居を入り布生橋(ふしょうばし)を渡り
   御間道(おあいみち)を経て若宮に到る
 次 宮司以下拝舎に列立す
 次 第三度の乱声を催す
 次 伶人第三度の乱声を発す
 次 拝殿の御格子(みこうし)を催す
 次 卸格子を掲く  灯火を滅す
 次 宮司以下本殿階下に進む
 次 宮司昇殿御扉を開く
 次 宮司深秘の作法を修む
 次 出御(しゅつぎょ)
   神職神人各榊を執り人垣を作る 伶人乳声を止め本楽に移る
 次 権宮司御扉を閉つ
   遷幸の間神職神人警蹕を唱へ伶人道楽(みちがく:慶雲楽・けいうんらく)を奏す
 次 お旅所行宮に着御
   伶人迎乱声を発す
   是より失点火を滅す
 次 入御(じゆぎよ)
 次 宮司深秘の作法を修む
 次 宮司以下斎庭に列候す
 次 植松(うえまつ) 点火を点ず
 次 宮司以下幄舎に着く
暁祭 お旅所にて
十二月十七日午前一時 宮司以下斎庭に列侯す
 次 権宮司以下神饌を供す  此間奏楽
 次 宮司奉幣
 次 宮司祝詞を奏す
 次 神楽を奏す
    是より先宮司以下幄舎に復す
 次 権宮司以下神饌を撤す  此間奏楽
    是より先宮司以下斎庭に列候
 次 宮司以下幄舎に復す
 次 退下
本殿祭 春日本社続いて若宮にて
十二月十七日午前九時 宮司以下本社中門御廊の座に着く
 次 修祓
 次 権宮司以下神饌を供す
 次 宮司祝詞を奏す
 次 権宮司以下神饌を撤す
 次 宮司以下退下
 次 若宮に参進
 次 拝舎の座に着く
 次 権宮司以下神饌を供す
 次 宮司祝詞を奏す
 次 権宮司以下神饌を撤す
 次 退下
お渡り式 県庁前広場よりお旅所まで
十二月十七日
 正午 お渡り行列県庁前広場出発
 大宮通りを西下、近鉄奈良駅前を経て油阪を南折し、JR奈良駅前を経て三条通りを東上
 ・午後十ニ時五十分頃より南大門文名の儀
   競馬  大童子名乗り
   馬長児 大童子名乗り
   大和士 願主役名乗り
 ・午後一時頃より松の下式
   陪従小渡を奏す
   細勇拝礼
   猿楽を奏す
   田楽を奏す
 ・午後二時頃より競馬
   馬出橋より勝敗榊迄三双
お旅所祭
十二月十七日 宮司以下幄舎に着く
 先 午後二時 お渡り行列お旅所に参入
    白秋御幣所役所定の座に着く
    日使以下諸役所定の座に着く
    所役各神前に着到の礼あり
    十列児下馬にて芝舞台三巡す
    馬長児馬上にて芝舞台三巡す
    (退出時大童子紙垂を神前へ投ず)
    猿楽座埒開けの所作等あり
 午後二時半時過より流鏑馬 於参道馬場
    場見の儀
    馬場上りの儀
    揚児以下祝投扇の後、一より三の的を射る
 次 午後二時半 宮司以下斎庭に列候す
 次 権宮司以下神饌を供す  此間奏楽
 次 宮司奉幣
 次 宮司祝詞を奏す
 次 宮司行宮階下に候す
   この時権宮司以下幄舎に復す
 次 日使奉幣
 次 日使祝詞を奏す
   了りて日使幄舎に復す
 次 玉串を奉りて拝礼
 次 次奉行代拝礼
   了りて宮司幄舎に復す
 次 馬長児拝礼
 次 揚児、射手児拝礼
 次 随兵拝礼
 次 願主役奉幣
 次 御師役、馬場役、大和士代等拝礼
 次 神楽を奏す
 次 東遊を奏す
 次 田楽を奏す
 次 細男を奏す
 次 猿楽を奏す
 次 舞楽を奏す
     振鉾三節
     萬歳楽  延喜楽
     賀殿   長保楽
 次 和舞を奏す
 次 舞楽を奏す
     蘭陵王  納曽利
     敵手   貴徳
     抜頭   落蹲
     以上、二舞は勝負舞に付、競馬の勝敗により前後を決す
 次 権宮司以下神饌神宝を撤す  此間奏楽
    是より先宮司以下斎庭に列侯す
 次 宮司以下幄舎に復す
還幸の儀 お旅所より若宮まで
十二月十七日午後十一時 宮司以下斎庭に列侯す
 次 宮司昇殿  灯火を滅す
 次 宮司秘文の祝詞を奏す
 次 出御
    還幸の列次凡て遷幸の儀に準ず
    但ご幣を欠く
    伶人道楽(還城楽:げんじょうらく)を奏す
 次 若宮に着御 所役得太鼓を打つ
 次 権宮司御扉を開く
 次 入御
 次 宮司秘文の祝詞を奏す
 次 宮司御扉を閉つ  灯火を点す
 次 宮司以下拝舎に列立す
 次 宮司以下拝舎を退く
 次 神楽殿、細殿の座に着く
 次 神楽を奏す
 次 退下
後宴
十二月十八日午後一時 奉納相撲 お旅所南側
      午後二時 後宴能  お旅所

*出典:『春日若宮おん祭』(平成13年度版/春日若宮おん祭保存会 2001年11月11日発行)

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