嵐の後で
 奈良県下北山村池原ダム
 2002年7月12・13日

 「台風、去年みたいに接近せえへんやろ」
 「直撃っす」
 「え!?直撃すんの?いつ接近するん?」
 この季節には珍しく台風が近畿地方にも上陸しそうだ。10日には通過しそうだが、昨年は台風後の池原は吹き返しの風や大量の流木が出て釣りにならなかった。
 それまでは順調にサイズアップしていたが、今になって考えるとこの後、サイズは極端にダウンした気がする。秋の台風だったので、水温が下がってしまったんだろう。
 水温はこれから上昇するのでいいとして、我々トップ党にとっては、風と流木は大変気になるところだ。それでも、釣りバカの我々は釣り欲を押さえられない。夏の嵐の後は爆釣するはずなので、池原敢行することにした。今回も1泊二日だ。

 12日は金曜日だったので、道も空いており、出発も早かったので、3時半ごろ「ワンアップ平井」に到着。仮眠をとる。今回のボートは25馬力のステーサー390RAKER。ライブウエルが付いているので、釣った魚を生かしておくことができる。ここは一つ大物でも釣って桟橋で記念撮影でもしてもらおう。
 今回も気合いブリバリ状態なので、よしべえ氏はなんとスピニングセットを購入し、しかもスイムベイトと言う最終兵器まで準備している。対する私の秘密兵器は「ワンダー80・60」だ。
 台風後ではあるが、心配していた流木もなく、風も許容範囲だった。早速ルアーをセットし、いつもの備後橋手前からチェックしていく。二人とも最初はポッパーだ。
 前回はバラシまくりの「フッキング症候群」発症中だったが、その後渓流で大物をつり上げ、流れが変わっているといいが…
 しばらくポイントをチェックしていく。立木のすぐ側にキャストし、着水後ワンアクション加えると、バスが食いついてきた。今回はしっかりフッキングしているようだ。小さいが最初の魚なので、ぼうず脱出のため慎重に取り込む。サイズは20p程度の「てんぷらバス」だったが、久しぶりのバスの引きだった。
 この後、台風一過の晴天のため気温がぐんぐん上昇。寝不足気味でもあったので、私はダウン。ボートの上で睡眠をとるが、「熱すぎる!」それでも2時間ほど寝てしまった。この間、よしべえ氏は3本ほどバラシたとの事で、今日も食いは浅いんだろうか?
 よしべえ氏と交替し、釣り再開。この時間帯ではトップでは反応ないだろうと思いここで秘密兵器「ワンダー」登場。まず小サイズの「60」をキャスト。うう〜ん軽すぎてアクションが小さいかなぁ…それではと大きめの「80」に交換しキャスト。シンキング系ルアーを使うのは久しぶりだが、3キャスト目、岬の先端を通すと「ぐいぐい」と引きが!このバスも先程と同じくらいの「天ぷらバス」だった。すでに夢の世界のよしべえ氏を尾ひれでぴたぴた叩いてみたが、反応なし・・・うう〜んむなしい・・・さびしい・・・
 夕方からは本流筋をチェック。備後以外あまり攻めたことはないが、最近好調なようなので、チェックしてみることにした。ここでは、よしべえ氏が数本バラシて終了。しかし、いくつかあった立木の内一つだけ最低でも40以上のバスが4本付いている立木を発見。こんなポイントで確実にバスを拾えればかなりおいしい思いができるんだろうな。などど考えながら、桟橋に到着。天ぷらバス2本で記念撮影してもらった。

 その日の晩。明日の準備をしていると、「雷なってる」とよしべえ氏。まだかなり遠いが雷光が走っている。雷鳴は聞こえないのでかなり離れているようだ。明日は曇りだと桟橋で聞いたが、ひょっとしたら雨かなぁなんて考えながら、夢の世界へ・・・
 

 午前2時・・・「ぎゅるぎゅるぎゅる」「どかぁぁぁぁぁん!!!」「ぐらぐら(コテージが揺れている)」「ぴろぴろぴろ・・・ぴろぴろぴろ(よしべえ氏のランエボの警報)」「ざぁぁぁ(雨)」(以上実況よしべえ氏)落雷だ!すぐそばらしい。まだ心臓がばくばく言っている。私は「どかぁぁん」で目が覚めたが、よしべえ氏は少し前に起きたらしい。コテージはダムサイトの上にあり、かなりの高台だ。発電用ダムなので、どっかに避雷針はあるんだろうが・・・車に逃げ込んだ方がいいんだろうか…
 午前4時。目覚ましがなっている。外は・・・「ざぁぁぁぁ」雨だ。しかも激しく・・・雷も遠くでまだ鳴っている。よしべえ氏はレインスーツを持ってきてないようすだし、5時になってもボートが走っている気配がない。これはしばらく待つとこにしよう。
 午前6時・・・「ぐをぉぉぉん」「ばたん」「おはようございます!」なんと「ワンアップヒライ」の方が起こしにきてくれた。すっかり爆睡していたようす。すでに雨が上がり、ボートの準備も終了していた。

 今日は出廷時間が遅かったこともあり本流筋を攻めることにした。すでにボートが各筋に散っているとの読みだった。早速キャスト。よしべえ氏はポッパー。私はペンシルベイト。曇りなのと、昨日の雨で水温がすこし下がったのか、活性はかなり高い。早速38pのバスをゲット。
38cm
シャツに「漕」と書いてあっても、フットターボではありません

その後も順調に釣果があがる。しかし、よしべえ氏はフッキングがうまくいかず「俺もフッキング症候群や!」そう、なんとフッキング症候群は伝染病だったのだ!!なんとおそろしい・・・しかし、私が寝ている間に43pのバスをヒットさせ、見事釣りあげたのはさすが!お見事!!
43cm
 この日は立木が良かったようだ。全体的に高活性でエサを追っていたようだ。
 流れ込みもかなり出来ていたが、滝状のポイントで「滝の流れ込みで釣ったことないよな」とよしべえ氏。「渓流では滝・流れ込みの下には必ず魚が定位しているはずだが・・・昨日50pのサツキマス(アマゴの降海型)があがったようだし、マスはともかくバスがいるかも」と思いキャストしてみた。すると滝壺からバスが飛び出してきた。かなりの距離があったが、慎重に取り込むとこの日私の最高サイズの40pのバスだった。
滝ポイント
この滝の下でバスが…

 この後、よしべえ氏が1本追加し、本日の釣果はよしべえ氏2本・私5本で最高サイズはよしべえ氏の43pだった。多い人で20本ほど釣っている状況の中では貧果だが、個人的にはまあまあのサイズも混じっており、満足だった。ただよしべえ氏は症候群が発症してしまったようす。その悔しさはよくわかります・・・

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