’03開幕:岐阜武儀川
2003年2月11日

 昨年2月、天川のニジマスの放流地区でフライに行った帰り「来年は冬(禁猟期)になったら月1くらいでニジマス釣りに来たいですねぇ。」などどひろ氏と話していた。
 しかし、諸般の事情により今年の冬は釣りに行くことはなかった。釣りもダイビングも登山も冬は寒くって基本的にはオフシーズン。よしべえ氏と愛車で夜な夜な走りまわる週末が続いた。(これも凍結していたりして、なかなか…)
 3ヶ月ほど「悶々」とした日々を送っていたが、2月にとうとう渓流の解禁日を迎えた。
 渓流は3月解禁の川が多いのだが、岐阜や福井の一部などは、全国に先駆けて2月に解禁する川がある。天川のフライも素敵だが、やはり渓流・源流域で天然ものを釣る魅力の方に興味がある。岐阜は一度も行ったことがないので、早速場所を探し始めた。

 岐阜で2月解禁となると長良川が有名。この時期には銀化したシラメ(サツキマス・アマゴの降海型。)がつれることでも有名だが、そのポイントはかなり下流。川幅も広く渓流装備の我々にはちょっと苦しそう。本流装備でないと無理だ。フライで狙うという手もあるが、今回はパスすることとしよう。
 渓流域を探す。まずは「スーパーマップル・中部版」と「分県地図・21岐阜県」で大体の目星をつける。おお!なかなかよさそうな川があるではないか!
 次は道路の状況。岐阜はスキー場も多く2月はスキーシーズン真っ只中。スキー場の近くは渋滞するかもしれないし、川がスキー場の中を通る場合もあるので、まずスキー場付近は除外。この後いろいろな条件で消去していくと、結局3箇所に絞れてきた。
 ここまでくると、最後は漁協に電話だ。最初の漁協は解禁日(2月1日)にもかかわらず電話に出ない。「ん?見回りにでも出たんかな?」と思い何度かかけなおすが、やっぱり出ない。もうひとつの川は2月9日が解禁なので、9日にかけることにしよう。問題は3つ目の川だが、どれだけ調べても管轄漁協がわからない。インターネット・本屋で立ち読み・釣り新聞など調べたがわからない。ここでひろ氏より新情報。「○×川は2月15日解禁の情報あり、確認を。」なぬぬ!漁協が電話に出ないのはまだ解禁してなかったからなのか!!ネット情報もガセネタが混ざっているようですな。「3つ目の川は管理漁協がないはずやで。でも、その川はかなり奥深いので、一泊じゃないと無理らしい」とひろ氏。で、9日に二つ目の川の漁協に電話したところ、綺麗な(いや、実物は綺麗かどうか…)お姉さんが「お待ちしています。」てなわけで、武儀川に決定!

 現地は高速の降り口から近いわりには、山深い。町役場の近くの雑貨屋で日券を購入したが、大阪から来たとしって、店のおばあちゃんは大感激。「まあまあ遠くから。」とか言いながら奥からおじいちゃんも出てきて、ポイントなどを教えてもらう。
 早速ポイントに向かうが、川沿いの林道にはすでに車だらけ。さすが解禁当初。かなり上流まで上るも、車は無くならない。先行者がいると厳しいものがあるが、工事のため通行止めになっている上流部まで車で入って、工事現場上流から入渓することにした。
 今回の餌はブドウ虫。去年某釣具屋で発見した「赤ブドウ虫」が最近のお気に入り。普通のブドウ虫でつれない時でも、赤ブドウには反応するといったケースがあったので、この餌はかなり素敵です。ひろ氏はミミズのようだ。二人して解禁初期セオリーの「イクラ」を無視しているのは餌もちが悪いから。3投程度で餌を変えなければいけない釣りは私には無理だ。
 天気は2月中旬の岐阜、しかもそれなりに山奥にもかかわらず「雨」。どうもひろ氏と行く釣行は雨が多い。よしべえ氏といく池原はほとんど晴れなのに。(その分雨のときは強烈に土砂降りやけど…)気温は9度前後。この気温で雨はしんどいなぁ。一応は雨対策もしてきたが、降るなら雪と思っていたのになぁ。雪の渓流はいい雰囲気やけど、雨は毎度やからなぁ。
雪ですな。
 午前中4時間ほど釣るも、釣果はゼロ。アタリすらない。疲労困憊で林道を車へ戻っていると、行きは気づかなかった工事あとがいたるところにある。昨年の夏、このあたりは大規模な水害があったが、その復旧工事なんだろうか。とにかく上から川を見ると土砂で落ち込みがすべて埋まっているのだ。釣っているときも違和感はあったが、これでは渓流魚は生きていけないだろう。釣り人が多いので、去年まではそれなりの川だったとおもうのだが、魚影がもとの状態までもどるのにどれくらいかかるだろうか。10年か20年かもっとか…。
 しかし、日本は土建国家ですな。渓流まで来て工事に悩まされるとは。琵琶湖ではそのツケをブラックバスのせいにして、「リリース禁止条例」まで出来たそうな。在来魚減少の最大の犯人は「琵琶湖総合開発計画(って名前だっけ?)」の護岸工事が原因にちがいない。葦原の復活とか、水質改善などを最大限行った上でのリリース禁止ならともかく、なんにもしないでバスという生物に責任を押し付け、駆除しようなんて傲慢だぜ。なんにもせずに生き物のせいにして、その生き物を殺してしまえという安易な考えがいやですな。リリース禁止だけでは効果はないでしょうけどね。時間の無駄ですな。その間に在来魚がどんどん減っていくんでしょう。気づいたときには手遅れですな。
 釣りも生き物を殺しているといえば殺しているんですがね。自然と共存とはいいませんが、うまく自然を残して、利用して生きている手はないもんですかな。

 昼食後、谷を変えて別の支流に入ってみる。さっきの谷は雪があったが、やまひとつ隔てたこの谷には雪がない。よくある光景だが、なんとなく不思議です。
 この日の釣果はひろ氏がアマゴ2尾。ひろ氏はウエーダーにもかかわらず腰のあたりまである川を果敢に渡破。「おそらく今期初めて人が入ったであろう」(ひろ氏談)ポイントでアマゴをゲット。
 私は3尾のアタリがあったもののすべてバラシ。今回は新しい竿ダイワ早春硬調6.1mのお披露目だったので、新竿は釣れないとのジンクスと、かえし無しのスレバリを使っていたことを言い訳にしておこう。
 温泉に入って帰阪したが、ひろ氏の家で夕飯をおよばれした。1月に生まれた息子「タイガ」が「フゴフゴ」言いながら笑っていた。二人の親バカは、渦潮を背景に写真とって「タイガーウッズ」とか、マスクかぶせて「タイガーマスク」とか、訳のわからんこと言ってたが、息子の無邪気な笑いにボウズで傷ついた心も癒せた(ような気がした。)

 ち、ちくショー!!次こそはリベンジぶちかましてやるぜぇ!!!!

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