渓流第2戦:北山川
2003年3月1日
奈良県北山川

 岐阜での悲しい坊主より18日、リベンジを果たすべく奈良県北山川に向かった。
 前回の岐阜も2月ということで防寒対策を施していたが、雨だったこともあって、少し寒かった。そこで、今回は事前準備にも抜かりない。というのも最近「生還」という山岳遭難から救出された人の体験談をまとめた本を読んだことも影響している。今回行く沢は、沢登りの好ポイントとなっているが、大峰山脈の登山口でもある。山屋の間では地形が複雑であるため「富士の樹海」にもたとえられている場所であるのだ。(当然、登山者の遭難件数も多く、発見されない事も…)
 今回はウエーダーでの釣行であるため、そんなに上流までは入れないとは思うが、さらに防寒対策を施すために、登山用のアウターを購入することとした。これまでは、本格的な登山用アウターが無くって、代用品を使用していたが、いい機会だし、冬の低山登山にも使えるし、春の池原でも使えるしと購入を決定。しかし、貧乏なので、アウトレットを利用することにした。
 私の山道具は「モンベル」製を主に使用している。大阪が発祥の世界的な登山メーカーである。今回は南港のATC(アジア太平洋トレードセンター)のモンベルに出かける。ここにはアウトレットも併設されているのだ。インターネットでもアウトレットの通販を行っているが、やはり実物を見ないとね。で、店に入って目当てのアウターを探す。アウトレットの訳あり品で、「ジッパー逆」と書いたアウターがあった。ひろ氏がいつも着ているものと同じもののようだ。値段はびっくりするほど安い(もちろん新品と比べてだが。)で、何が原因か15分ほど考え込むがわからない。他のものも見てみることにしよう。着心地も軽さもデザインもなかなかよいものがもう1着あったが、色が「赤」。好みは青系だが、このデザインでの赤はなかなかいいなぁ〜などど思った。試着してみるとぴったり。値段は先ほどの「ジッパー逆」より5,000円ほど高い…うむむむむ微妙な金額やなぁ〜。これ以下やったら赤で決定やし、10,000円なら「青」で即決やしなぁ〜などど10分ほど考え込んでいると、かわいいバイトの姉ちゃんに、「いかがですか?」と声を掛けられた。ちょうどいいタイミングだったので、「ジッパー逆ってどこが逆?」と聞いてみたら、どうやらポケットについているジッパーが逆開きについているらしい。このほかに「赤」と「青」の違いを教えてもらったが、ほとんど違いはないようす。「赤だと渓流では魚から目立つかもしれんし」と言うわけで、ひろ氏には申し訳ないが、同デザインの「モンベルゼロポイントドロワットパーカ」で決定!ひろ氏はあまりの安さに、自分のときの値段と比べて、かなり悔しがっていた。これで、前回渓流でひろ氏に敗れたことのリベンジは完了と言っていいだろう。ふっふっふ…(ちなみに、このアウター、ひろ氏の物とは作られた年が違うらしく、1箇所だけ違うところがあった。)

 で、現地には8時30分ごろ到着。当日はやはり「雨」だ。これで、ひろ氏が雨男であることが、実証されたわけだ。(ひろ氏は後日の渓流釣行で、またまた豪雪と増水にあい、釣りが出来なかったらしい。恐るべし雨男)
 入渓券は今年も「ワンアップヒライ」で購入。多分今年もバスでお世話になるだろう。去年初めてこの沢に入って、魚影の濃さ、雰囲気など、かなり気に入ったので、今年は年券を購入。価格は6,000円だ。しかし、解禁当初の日券は3,000円なのと、購入時の説明で知ったのだが、この年券を持っていると池原でバスを釣る際に必要な「清掃協力金」の年券も兼ねているらしい。かなりお得な年券となった。
 早速準備に取り掛かる。アウターの値段などを話ししながらひろ氏にリベンジを果たし、早速入渓。ポイントは昨年、作業用のつり橋がひろ氏の体重に耐えかねて悲鳴を上げていた橋の手前から入渓することにする。
 餌は「赤ぶどう」ひろ氏は「ミミズ」である。解禁初日であるにもかかわらずまたまたセオリーの「イクラ」を二人して無視。
 まだ、渓流初心者の私は常々自然界には存在しない(すくなくとも近畿には)「イクラ」がなぜ解禁当初には有効なんだろう。放流ものなら餌として食べている可能性もあるのだが、「天然ものでなぜにイクラ?」とひろ氏に疑問をぶつけてみた。すると、「解禁当初は「におい」のきついもんがええねん。ぶどう虫よりはミミズの方がええで。ミミズにおいするやろ。」なりほど、そういう事やったんか!

 今回も針はスレ針を使用。前回新竿を使用したので、今回はボウズはないだろう。そうこうしているうちに、早速アタリが!!うう〜んこのブルブル感がたまらん!!!あがってきたアマゴは17〜8p位か。
 この後もぼちぼちアタリがあり、順調といえる釣果がある。雨ではあるが、増水もなくウエーダーでもそこそこいけるなぁ〜などど考えていると、「恐怖のつり橋前プール」のポイントに到達。ここで、昨年同様二つ三つの釣果を上げる。ひろ氏もすでにご機嫌だ。
 この後、例のつり橋を渡るため、斜面をよじ登る。角度はかなりあるが、木が生えているので、何とか登っていけるという感じだ。しかし、木を信頼して滑落するということは山の雑誌でもよく目にするので、あまり頼りにせず、根が張っているかどうか一応見極めながら登った(当然素人なので、完璧ではないんだろうが、まあ、気にしないよりましかな。)
 で、つり橋は今年もひろ氏の体重を何とか支えきり無事林道に到着。(しかし、今回も「もうわたらんといてくれ!」とばかりに、ワイヤーがぴしぴし言っている。次回以降は要注意かも…)
 次の入渓ポイントには車が止まっていた。一旦車まで戻って上流を目指す。車止めまで入って、そこから支流の方に入渓した。
 この支流はそこそこ魚の反応もあり、楽しいが、若干谷が細い様子。6メートル級の竿ではちょっと窮屈だ。ひろ氏はとうとう枝に仕掛けを引っ掛けてしまった。
ひろ氏の醜態

 この後、昼食のラーメンを食し、本流に戻ることにした。15分ほど戻ったので、かなり暖かくなった。
 釣り再開。先ほどの支流は川幅に比例して型も小さかったが、こちらはいい感じ。コンスタントに20pクラスのアマゴが上がってくる。
 一度この谷を沢登で登っているひろ氏が支流から本流まで戻ってきたところで、「この先に魚止めの滝があんねん。時間的に多分そこまでは行かれへんやろうけど、テンポ良く行こう。」どうも、私はポイントをじっくり攻める傾向があるらしい。逆にそのおかげでひろ氏の後を着いていってる時でも釣果が上がると思っているが、同時にひろ氏を待たせることも多く申し訳ない。でも、ポイントをみたら竿をいれずにはいられないのだ。うむむ、この辺の見極めが経験の差というところか…(単にねちっこい性格のだけやったりして。)
 で、なんとかその滝までたどりついた。先行してポイントに入った私は滝によってプール状になっているテイルアウト(流れ出し)付近から攻める。22センチのアマゴを釣ったところで、ちょうどひろ氏が追いついてきて、「今のんいい型やったやん。」ふほほほ。そうでしょ。と思いながら次はどこに餌を流そうかなぁとポイントをチェック。今いるのは滝に向かって右手。流れでいえばどっちかというと本流の方だ(と思う)。対岸から攻めてみたいなぁと一瞬思うが、こっちの流れで1尾かけているので、ここから対岸にいくと、ひろ氏は私の釣った後に入ることになってしまう。「竿も6メートルあるし、こっち側からでもいいか」と右側から攻めることにした。この間(多分数秒だと思うが)にひろ氏はすでに対岸に向かって移動し始めていた。が、この後、衝撃の事実が!!!
そのポイント。右手より

 ひろ氏が対岸に行ってしまったので、流尻がらじっくり攻めようと、少しずつ仕掛けの投入を上流にうつしながら、ここでもねちっこく攻めている。すると、対岸に渡ったひろ氏が気合一発仕掛けを振り込む。滝のプールの中に大きな岩がひとつ沈んでいた(ポイント的には、絶好の場所に沈んでいると思う。まあ、釣った後から思い返せばほとんどの場合が絶好なのだが…)。その場所で、ひろ氏の仕掛けが止まる。とたんに竿が「満月のように(ひろ氏談)」しなった。おおお!!!かなりの大物だ。思わず「でかい!!」と叫んでしまった。いや、尺はありそうだ。取り込みを見ていると、ひろ氏は必死だが、めっちゃ羨ましい。くぅ〜!思わず見とれてしまった。(竿さばきではなく、その引きに。あしからず)なんとかタモに収めたその大物を前に、ひろ氏はおもむろにビニールを取り出しその中へ。まさか針を飲み込まれでもしたためにお持ち帰りでもするつもりかと思っていると、今度はそのビニールに水を。むむむ!これは見せびらかす気か!!!なんてこったい!!!チクショー!!!と思うと同時にやっぱり羨ましい。わざわざビニールにまで入れるというところを見ると、やはり尺越えか!ええなあ…
ひろ氏の自己記録

 残念ながらこの大物は27p。私は「竿が満月って「丸」ですやん!ありえへんっす!!」と突っ込むのが精一杯。しかしながら今回も尺は夢となったのであった。

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