西日本最高峰〜石槌山〜
2002年8月4日

 石鎚山は四国愛媛県にある西日本最高峰である。
 今回は久々の登山ということで、石鎚スカイラインを通る土小屋からのコースを選んだ。
 少し遅めに出発し、高松道・松山道・石鎚スカイラインを通って土小屋に着いたのが午後1時。登山としてはかなり遅めの出発になった。
 時間が遅くなったので、すでに下山してくる人もちらほら。今日は快晴で山もよく見えるが、夏だけに夕立が心配だ。当然レインスーツとヘッドランプも持参しているが、時間がなくなれば、途中で引き返さないといけないなぁ。ガイドブックによると山頂までは2時間30分。往復では5時間〜5時間30分ぐらいか。何とか日没までには帰ってこれるな。
 早速登山開始。真夏の陽が照り付けているが、土小屋の標高はすでに1492m。影に入ってしまえば涼しい風が吹く。しかし登り始めてから10分もすると、全身汗だくだ。
 すれ違う下山中の登山者と挨拶を交わしながら進む。しばらくブナ林が続きそれを抜けたあたりから山頂がちらちらと見え出す。登山道の周りは笹だらけだ。
 そうこうしているうちに尾根にでる。ここからこれから通るであろう登山道と石鎚山が綺麗に見えた。

 ここは松(だと思う)の大木で木陰になっており、休憩するにはぴったりだ。ここでしばしの休息をとる。しかし山頂まではまだかなりあるぞ。これまではそんなにきつい登りは無かったが、山頂ははるか上。こりゃきつそうだ。
 ここからしばらく尾根づたいに進む。涼しい木陰を提供してくれていた樹木も少なくなり夏の日光を浴びながらの登山だが、それほど過酷でもない。遅く出発したせいで登山道の人もまばらだし、昼のピークを過ぎたからか、標高が少しずつ上がっているせいかまだ十分耐えれる暑さだ。登山道にはいろいろな植物が花を咲かせている。

 ずんずん進むと、鳥居が見えてくる。二ノ鎖小屋だ。石鎚山はいわゆる霊山。山頂にも神社があるほどだが、昔から登山が行われてきた。そんなわけで鳥居があるのだが、この鳥居を越えたところに石鎚独特の鎖場がある。二ノ鎖は65m。迂回道も設けられているようだが、せっかくだから鎖を使って登ってみたい。しかし鎖場への入り口を見落とし迂回路にはいってしまった…しょうがない。鎖は次の三ノ鎖で体験することにしょう。
 迂回路もかなり厳しい。桟道や木段、鉄板をしいた階段まである。かなりの急登だ。
 やっとの思いで迂回路を脱出し三ノ鎖小屋へ。今度こそ鎖に挑戦だ。三ノ鎖は鎖場でも最長の67メートル。この鎖は山頂直下まで続いているらしい。これを無事越えれば山頂だ。
 小屋付近で十分休憩し鎖に取り付く。しかし、これは道というよりまさに「崖」。崖の上から鎖がたれているような感じだ。これは慎重に行かなくては。

 鎖の一つ一つはかなり大きく少々のことでは動かない。しかし鎖が岩からはなれて浮いているところもあり、バランスを崩すと命取りだ。鎖のわっかを利用し、ここに足を掛けながら慎重に登っていく。
 ついに山頂到着。ちょうど山頂上社は改修工事中。お参りをすませ周囲を一望する。うう〜ん!いい眺めだ。
 しかし、ここはまだ西日本最高峰ではない!今いる場所は弥山山頂。ここから細い、本当に細い岩稜を200mほどいくと、こちらが正真正銘最高峰「天狗岳」だ。

 でも…道がかなり細い。しかも北側は断崖絶壁。神社前でかなり迷った挙句、せっかくだから最高峰に挑戦することにした。かなり厳しい岩稜だったが、西穂高で雨の絶壁を経験しているので、そっちよりはましだったかな。はれて最高峰に到達しました。

 余韻に浸ったあと記念撮影をして早速下山することにする。天狗岳に登頂した頃からどうも雲行きがあやしい。雲の流れが速くなり、少しづつ雲が降りてきている感じがする。急いで下山しなくては。
 鎖を降りる勇気はさすがに無かったので、帰りはすべて迂回路。下山中、遠くから雷鳴が聞こえたが、風向きが違ったようで、こちらには近づいてこなかった。ありがとう風神さん雷神さん。
 結局雨に降られることもなく、無事下山。しかし駐車場から眺める天狗岳の周りにはすでに雲が取り巻き、夕日を浴びて神々しい姿を見せていた。

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