北アルプス西穂高
 〜新穂高温泉〜西穂山荘〜新穂高温泉〜
  平成13年6月29日から7月1日

 前年、「屋久島の縄文杉」を見に行ってからというもの、すっかり山登りの魅力に取り付かれてしまった。
 その後、奈良県の大台ケ原(日出ガ岳)に昇ったりしていたが、初の本格的登山である。しかも今回は山小屋初体験。山小屋の混雑と、梅雨真っ盛りの時期なので、雨が心配だったが、前日は久しぶりに楽しみで眠れないという小学校の遠足状態に陥っていた。明日は仕事おわってからすぐに出発なのに・・・。

 6月29日(金)午前0時に大阪を出発・・・といっても自分の家から駐車場に向かったのがこの時間である。その後荷物を詰め込み現地へ向かうが、ベルトを忘れたのをおもいだした。「イカーン!!登山用のパンツは腰まわりがとってもブカブカ。ベルトがないと登山どころではな〜い!!!」ってなわけで、自宅までベルトを取りに…そんなこんなで、実際最寄のインターである近畿自動車道「堺インター」から高速に乗ったのは1時半ごろだった。
 今回、いろいろ悩んだあげく「近畿道〜名神〜中央自動車道松本インター〜新穂高温泉」の経路をたどることにした。
 やっとつきました。新穂高温泉。時間は大体10時くらいだったかな?とりあえず今日は山小屋泊まりなので、温泉に入っていくことにした。数ある温泉の中で、セレクトしたのが「槍見館」槍ヶ岳が露天から見えることで有名な温泉だ。しかし今日はあいにくの雨!槍ヶ岳どころか、笹ガ岳の頂上もみえないぜ!!でも温泉はいい雰囲気。風呂の湯がもうちょっとぬるかったら最高だったのに…(死ぬほど熱かった…)
 あまりゆっくりしていると、本格的に雨になりそうだったので、早速ロープウエーに乗る。二つのロープウエーを乗り継ぎ穂高口に到着。駅の展望台からみた笠ガ岳はガスがかかったりはれたり…でも全体的にガスがかかってはっきりとは見えなかった。
 展望台で一通り記念撮影を終えてから、いよいよ登山開始!!穂高口から、今日の宿である西穂山荘へむかう。地図では約1時間の距離だ。

 駅周辺は登山道がよく整備されていて、サンダルでも歩き回れるくらい。しかし駅周辺を離れるにしたがってだんだんと岩が張り出し、道はえぐれ、本格的な登山道の様相を呈してきた。穂高口より、しばらくは下り道である。「うーんこれくらいの山道なら、屋久島に比べればずっと楽やな〜」前回大台ケ原に上ったときはとてつもなく疲れたが、今回は妙に体が軽い。しばらく下ると、今度は急に上り斜面となった。「うーん。まだまだ余裕。」でも、上るにしたがって、雲行きはどんどん怪しくなる。もうちょっとペースをあげたほうがいいんかな?まあいっか。新しく購入したレインウエア(モンベルのゴアテックスのやつ)もあるし。がんばってのぼっていたが、ふと振り返ると、下からガスのかたまりが!!やつらは、「もあ〜ぁぁん」って感じで、襲いかかってきた(少なくとも私にはそう思えた)たちまち視界が利かなくなった。しかも前方から「グイィィーン」って不気味な音も聞こえる。「たたり神のたたりか?なんもわるいことしとらんのに…」。音の正体は、山小屋の発電機でした。

 ついに到着「西穂山荘」「うーん以外と綺麗だなー」なんて関心しながら玄関のほうに向う。受付では、てっきり「髭のはえた、山男」が出てくるのかとおもったら、なんと女性だった(なかなか綺麗な方だ♪)。さすがに梅雨時期ということと、時間が2時半だったので、まだほかの登山者はついていないようす。
 部屋に案内されると、貸切状態になっていた。夕食も結構おいしい。うう〜んいいとこだ!夕食で一緒になったご夫婦は、焼岳登ってきたらしい。「明日も雨だから、独標までしかいけないかもね。」といっている。明日は晴れますように…

西穂高山荘部屋より:ガスでなにも見えん…

 30日朝起きて、天気を確認すると、限りなく雨に近い曇り。雲から今にも降下作戦が開始されそうな勢いだ…朝食を頂き、弁当を受け取る(要予約!)荷物を小屋へ置いていけるとの事だったので、不要の荷物を整理して預け、いよいよ出発。予定では西穂高岳山頂まで行く予定であるが、天気しだいで引き返さないといけないな…などと思ってたら、出発直前にパラパラと…レインウエアを着込み出発!
 雨なので、足場に注意しながら登る。ハイマツ畑(だったと思う)の中を進むが、しばらく行くと、ガレ場になった。雨で滑るし、後ろに岩を落としてもいけない…注意しながら進む。はるか上方には米粒くらいの人影が、ガスにまかれて見えたり消えたり…まだ行程はかなりあるぞ。
 ガレ場を過ぎると、ついに稜線上にでた様子。道幅が狭く、ちょっと恐ろしいが、景色はよく見える。ガスの切れ目に、下の雲が…。「落ちたら、間違いなく三途の河へ直行やな…しばらく体力的には楽だったが、マップによると、この先に難所の岩場があるらしい。気を引き締め岩場に挑戦。周りには誰もいないし、ゆっくり行こう。岩場をひとつクリア。二つ目も中間にさしかかったところで、小さな慰霊碑があった。さらに気を引き締めて登る。だんだんとガスが濃くなり、視界が2メートル程まで落ち、「これは、そろそろ引き返すべきか」と思案していると、やっとつきました、独標!ふぃぃ〜つかれた。
 独標で写真を撮影。ガ・ガスで写らん…なんとか撮影し、ここで引き返すことにした。マップによると、この先はさらに険しく、過去に何名か滑落もしている西穂高一の難所らしい。このまま進むのは、無謀だな。帰りは荷物に雨がしみこんで重さが増し、足元もグチャグチャ。大変でした…

独標 

 今夜は、新穂高温泉の「深山荘」に宿をとった。河原の露天が有名な温泉だが、梅雨で、大増水。一番有名な露天には入れなかった…

西穂山荘(右端)と西穂高

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