直接メタノール燃料電池の新しい構成の可能性を示す実験報告


自宅で下記のような実験を行った。
濃塩酸 50 ml に五酸化バナジウム約 2 gr を溶解すると、暗赤色の溶液となった。
この溶液を内径約 11 mm の透明塩化ビニールU字管底部に入れ、幅約 10 mm の銅
板または銀板の電極を二つの開口部から溶液に浸漬するように挿入する。一方の開
口部からメタノールを下部の溶液とあまり混合しないように入れると、メタノール
側を正極、空気側を負極として、銅の場合 1 micro A 銀の場合 5 micro A の電流
が検出された。また暗赤色の溶液は徐々に淡黄色に変化した。

以上の結果から五酸化バナジウムの量を多く、両電極間の距離を短くし、電極を
パラジウムや白金に替えて、液液固界面、気液固界面が大きくなるような形状にす
れば、電流が増大するのは明らかである。


私は 79 才を越えて、これ以上の研究実験は不可能となった。この分野の研究
の参考になればと願っている。


元都立高専教授
工学博士
小林 正弘
平成 28 年 1 月 12 日