【何故差別が?】

人は生まれた途端に、また生まれながらに、何故こんなに違い・差別があるのか? 
その「原因」は? また「運命」だとごまかすのか? 「わからん」と投げ出すのか?
明確に答えられる学者がいるか? 哲学者はいるか?  誰か答えられる人はいないのか?

今、いい加減な霊だとか占いが流行っているが、何故そいつにしか判らないのか。 阿呆にでも
解かる「方法」はないのか。よく言われるような「うちはガンのスジ」だとかの遺伝子的なこと
はあるが、父系の兄弟は、みな夫婦の相手側(男性なら妻を、女性なら夫を)を先に亡くすよ
うなことには、医学的に、また他の方法では、説明がつかないことが現に存在する。

各宗派には、一家の柱が立たず一家離散の傾向があったり、また間断なき悩みが絶えないこと
があったりと、統計的に各宗派を信仰する家計に多いのは何故か。占いや予想ではない。現実
にである。所以は如何ん! この差別の原因は如何ん。

原因を知らずして、正しようもないのは当然である。まさか信じる宗教なんかに、その因があ
るなんて、まして、自分が信じるものを「間違いだ」と言われれば、なにか自分の全て、人格
を否定されたように思うのであろう。気の毒としか言いようがない。ただ、あなたの持ってい
るお金は「偽札」だよ、といっているだけなのだが…

ともかく、産まれた途端に「違い・差別」がある。赤ん坊が、生まれる処を選べる訳もない。
言い換えれば、そこに生まれるべくして生まれたその両親に、家に、そして自らの容姿で、自
らの血液型で生まれてきた。誰だって顔・形も良く、貧乏でない処に生まれてきたいのは人情
であろうが、千差万別である。一人として同じことはないのが現実である。この「差」は一体
なんなのか。生まれて来た「現実の差の結果」として認めざるを得ないが、いったいその「原
因」は何なのか? 
訳も判らず、「運命だ」とか諦めるならともかく、少なくとも自分は、そんな非科学的な捉え
方では納得がいかない。一人の人生のオギャーと生まれ、「まっさら」の出発点で、この差・違
いであるだけに、自分にとっては深刻である。

別項でも記述したが、宇宙の星も地球も、人間も、有情・非情に関わりなく、生命体すべてが
「成住壊空」(別項)を繰り返すとすれば、生まれては死に、生まれては死んでいく。 
生命の連続性を例えれば、前日に指に怪我をして、明くる朝に指を見ると、やはり指には傷が
残っているようなもので、前日の怪我が原因で、眠って(空)、目が覚めた(成)ときの傷は
結果である。
つまり、今世の生きた「生き方」が原因となって、来世に生まれ出たときが結果であるとすれ
ば、誰しも少しは納得できるのではなかろうか。

残念ながら、前世を証明できるものはないだけに、形而上学的に納得するしかない。それとは
別に、他に「そうではない」とか云えるなら、是非とも学びたいものである。