【日本国憲法】

昨日(2007年3月12日)夜遅くNHKテレビを観ていると、なんと日本国憲法の草案は、
日本人が、そして当時の各政党も作成していた、と。

そして放送は、1945年(昭和20)10月29日より日本国憲法が施行されて60年になるが、その誕生
に新たな光を投げかける資料が最近関心を集めている。終戦直後、日本人が構想したさまざまな憲法草案である。政府やGHQとは別に民間の憲法草案が作られていた。
中でも注目されているのが、在野の学者やジャーナリストが党派を超えて集まった「憲法研究
会」1945年12月に発表された「憲法草案要綱」は、国民主権と人権尊重の原理を掲げ「日本国
ノ統治権ハ国民ヨリ発ス」とし、天皇の統治権を否定、国民主権の原則を採用する一方、天皇
は「国家的儀礼ヲ司ル」として天皇制の存続を認めた。天皇の役割は儀礼的なものに制限し、
象徴天皇制の原型とも言えるものだった。 12月26日に「憲法草案要綱」として、同会から内
閣へ届けられ記者団に発表した、と。

GHQの民政局はこの草案に着目。法律の下の平等や拷問の禁止など、基本的人権の規定には
GHQの草案を通して現在の憲法にそのまま取り入れられた条文もある、と。

終戦時、極東委員会が、憲法改正の政策決定をする前ならば、GHQに憲法改正の権限があると、
マッカーサーに進言したホイットニー民政局長も居たが、このGHQが瞠目した画期的な草案は、
どうやって生まれたのか。中心メンバーだった鈴木安蔵が書き残した記録からは、国民主権に
基づく新たな憲法を生み出そうと、議論を重ねていった様子が浮かび上がってきた。

番組では、敗戦直後の近衛文麿や政府の草案作りや進歩党、自由党、社会党、共産党の憲法案
も紹介。焼け跡で、新しい憲法を構想した戦後日本人の姿を浮かび上がらせていく。
しかし政府案は、あくまで天皇を主権者とする、明治憲法の焼き直しでしかなかった、と。

現在も、中国などからの「挑発」行為に対して、国の防衛を主張する輩は、盛んに憲法改正を
吹聴し、しかもGHQから押し付けられた憲法だからと扇動している。
勿論、国を、国民を守ってくれるのはいいが、嘘をついてまで勝手な解釈で憲法を云々してほ
しくない。


なんとまぁ、NHKがよくぞ放送したと見直した!
何故なら、戦争に導き、国民総玉砕まで導いた老いぼれ・バカエリート政治家が「今の日本国
憲法は、米国に依って作られたもの」と言って、まだ国民を扇動して、はばからない。
また許せないのは、当時の政府案が、まだ天皇統治など明治憲法の焼き直しでしかなかった、と! 現在の平和民主主義憲法草案は、一般民衆団体で作られたものなのに!
また又、そ奴らの云っていたことが「嘘」であった、と。

今や、危なっかしいが主権在民であり、天皇は国民の象徴である。そして個々の「国のあり方」
への思いは様々であるが、私は今の形でよいと思っている。テレビで天皇家の様子が放送され
るとやはり微笑ましく、時として嬉しく胸が詰まる。売れればよしとする週刊誌などが、面白
おかしく書く記事には、腹立たしく見る気もしない。

いすれにせよ、色んな考えを持った政治家が「憲法改正」を扇動したりしているが、平和憲法だけは守り抜きたいと思っている。