【教育】

現在世界では、多くの国々で紛争が起きており、お互いの民族的対立や宗教的対立で、ゆがみ合い、
殺し合っている。自者は正で他者は悪であり、お互いの立場を主張し合い、命をかけて戦っている。
一番不幸なのは、家族が殺されたからとの報復合戦であり、昔の「仇討ち」と同じ呪縛に陥っている
ことであろう。

シチリアの歴史に示された「ローマ帝国の皇帝・フェデリコ二世とイスラムの君主・アル カーミルが
成し遂げた平和協定・ヤッファ協定」のような、お互いを何とか信頼し、尊敬しようと対話し、戦う
ことなく成し遂げた平和的解決に学ぶこともなく、延々と対立し殺し合っている。お互いを、敵と味
方に分断し、あらゆる相互の違いを、多様性を認めようと対話し、理解し合おうとすることなくであ
る。

一方国内においても、憎みあい罵りあって、独善の域から抜け出せないでいる。
哀れとしかいいようがない。いつまで続くのか、いつになれば終わるのか。何の哲学も持たない政治
家が教育に介入し、過去の天皇神国のような不幸な間違った歴史観を教え、今は、いじめの解決も大
人の理屈だけで出来ずにいる。

イタリアのモンテッソーリが言う「紛争の回避は政治がなすべきことであり、平和の構築は教育がな
すべきことである。」と。教育は知識を詰め込むだけではない。正しい生き方を教えるべきである。
これに終止符を打つためには、正しい思想・哲学に基づく教育しかない。

現在の、一部のエリート馬鹿やインテリに粉動されることなく、また子供のまま育った馬鹿な親に終
止符を打つためには、遠回りに見えるかも知れないが、人間生命を第一義とする正しい思想・哲学、
そして、相手の違いと良いところを認め合い、尊重しあう教育が必要だと、切に思う。


相手の違いを学ぼうとするコスモポリタンの資質を育む教育。そして、その連帯を築いていくしかな
いと思う。来るべき次の千年のために!