ヤギ爺の独り言2014
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40.ストーブ
12月15日(月)
週末、「寒いな、そろそろストーブ出すか」とカバが言った。
「おう」と答えた。
カバがガスストーブを持ってきた。
「スタート」を押した。
我が家のガスストーブは運転を開始すると「現在室温」が表示される。
2℃だった
寒いはずだ
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39.藤内小屋の歌
11月22日(土)
昨日はカバが夜出かけていてヤギは一人宴会をした
録画していた懐かしい昭和歌謡番組を見ていたら、独りをいいことにボリュームを上げ、熱唱、合唱、ビールがすすむ
やがてテレビを切り、YouTubeで独りカラオケ(あ、厳密にはカラオケではない)松山千春を熱唱、合唱、ビールがすすむ
で、やがて、ギターを持ち出して(ほんと久しぶりだ)、今度は独演会を始めた、ビールが止まらない
思いつくままに歌いまくったら、ふと「藤内小屋の歌」を歌っていた(2009年『独り言』「11.一人ぼっち 2月3日(火)」参照)
立て続けに、にいちゃんの作った歌を歌った
ノスタルジアである、30年前の話である、山に登り始めたころのわたしは、当時東京から足繁く通ってきていたにいちゃんと、御在所藤内小屋でよく歌った
一本のカセットテープがある
いつものように藤内小屋で盛り上がっていると、小屋の女主人佐々木敏子さんが、森兄弟共演のギター演奏をカセットテープに収めると言った
気恥ずかしい思いだったが、今となっては、わたしにとって、貴重な記録だ
今は亡きにいちゃんの若いころの声を聞けば、やはり涙も出る
歌はわたしの方が上手だが、にいちゃんの歌には心がこもる
この際、センチメンタルになっちまおう
・・・・・
藤内小屋の歌
藤内小屋の歌 作詞・作曲 森 正弘
一人ぼっちの暮らしに飽きて 明るいところへ
いつも笑顔を絶やさない 素敵な人がいる
暮らしに疲れ果てているとき そのやさしさが
何度も何度も僕を闇から 救い出してくれた
一人ぼっちの暮らしに飽きて 光の中へ
緑が静かでまぶしい 五月の日差しの中
ラバーソールの靴底で 岩肌を感じるために
すべて忘れてよじ登って ビールで喉をうるおす
一人ぼっちの暮らしに飽きて 仲間のいるところへ
寂しい気持ちになったとき 僕はここへ来る
そこには素敵な仲間がいて 悲しみを遠ざけてくれる
悲しい目をして笑っていた あいつのために歌おう
ラバーソールの靴底で 岩肌を感じるために
すべて忘れてよじ登って ビールで喉をうるおす
ラララ ラララ
ハングライダーの歌
ハングライダー歌 作詞・作曲 森 正弘
寝袋のぬくもりが捨てがたい とても寒い夜明けに
オレンジ色の屋根の向こうの 太陽が呼び出した
朝の香りに包まれて 思い悩むこともなく
言い知れぬ気持ちに 今俺たちはなっている
霧の晴れた山の朝 俺たちは飛び立つ
自然に振舞うあるがままに 何かに引き寄せられて
大空の中を雲は流れて 心は鳥のように
美しい山を見下ろして あいつも飛んでいた
昨日の汗は今日の力になり 俺たちは笑っている
力はみなぎり溢れている 怖れる心も消えた
雲の中を飛び交う 俺たちは鳥になった
自然に振舞うあるがままに 何かに引き寄せられて
扉を開いて
扉を開いて 作詞・作曲 森 正弘
別れの言葉の終わらぬうちに 次の出会いがある
つらい別れのあとには 笑い声に包まれてる
何も知らない頃に戻りたい だけどそれはできはしない
わたしは扉を 開いて歩き出した
住み慣れた部屋を出てゆくとき 次の暮らしが始まる
物語の終わりは 決して来ない
時の流れに触れられるなら 私はもっと自由になれたのに
時の流れに触れられるなら 私はもっと自由になれたのに
青いズボン
青いズボン 作詞・作曲 森 正弘
青いズボンに白い靴 焼けたからだの男が
ザックを担いで歩いている 独りだけの旅をする
甘いだるさの中で 夏の光を浴びて
男は空の蒼になった
白い雲と夏の草 汗と埃 惑わすものは何もない
白い白い街の暮らし そこに何があるというのか
何かが足りない 何かが欲しいと
そして男はここへ来た
眼下に見える街の灯(ひ)を今は愛することもできる
そんなつもりでもなかったのに
それが目的でなかったのに
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38.着物
11月18日(火)
カバは着物も着る
和裁教室などにも通うようになり、そこには、やさしい年配の和服大好き!の人たちがたくさん集まっていて、うれしくも、その先輩方からのいただきものが、どんどん増えてきたらしい。
和室で着物の整理を始めたカバが突然叫んだ
ああああああああああああああ、いただいた帯がいっぱいあるーぅ!こんなん、一生かかってもぜんぶ締めきれへんわ…
ヤギはすかさず慰めた
だいじょうぶ、わしの研究室にも、買ってはみたものの、生涯、読むこともなかろう研究書が、山のように積んである…
せんなきこと
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37.中学生時代からの思い出
11月9日(日)
布施明がすばらしい
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36.アオジ
11月6日(木)
チ、チ、チ、チの、アオジが、庭に帰ってきた
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35.モズ
11月4日(火)
その後(どの後?)ジョウビタキはあまり見かけないが、毎朝のようにシジュウカラが庭を庭とする。時には、わたしが煙草を吸っているにもかかわらず、目の前で我が庭を我が家のように過ごしている。
うれしい限りだ
ここしばらく、家の前の道の電線で、朝、モズが1羽、2羽、「ギギっ、ギギっ」と、うさん臭そうに鳴きながら、こちらを見下ろす。
出くわす頻度がいつもより高いと思うのだが、季節によるのだろうか。
・・・・・
庭の雑草が季節ごとに入れ替わるように、我が家を訪れる鳥たちにも季節があるのだろう
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34.ジョウビタキ
10月18日(土)
トメが、窓の外を眺めながら、極早口で「キョユャラ、ギャグャラ」と、こもった唸り声をあげた。庭に野良猫とか鳥とかが来たのを見つけたときの合図だ。
「なになに」と覗き見ると、夏の間姿を見せなかったジョウビタキが、庭のモミジの木に止まった。
わざわざ越冬のため、奈良の我が家にやってきたのだ
鳥に季節を感じる今日このごろである
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33.木とか森とか林とか
10月12日(日)
先週末に引き続き、テレビの天気予報では、台風が接近しているという。明日、あさってあたりに、関西、奈良あたりも影響を受けるようだ。
家の近くの林が、ざわめく
庭に出て、タバコを吸っても、異変にはそんなに気づかない都会派ヤギである
しかし、森や木や林は、着実に異変を伝え、ざわざわざわとざわめいてくれる
心地よい風が吹き、柔らかい日差しが差し、ビールのうまい週末の午後である
しかし、こんなにいい天気なのに、今晩、明日には、大荒れの嵐がくる。テレビの天気予報は、もう数日前から声高に異変を告げる。しかし、
林や森や木は、
実感として異変を告げる
これはすごい
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32.ヒヨの渡り
9月28日(日)
秋の朝、ひんやりした空気が煙草に心地よい
昨夜、厚揚げ二つと、冷凍していた鮎一匹を焼いて、カバと質素に楽しんだ秋の宵、夕餉のあとの、かんてき、キャンプテーブルなどを片付けながら、ふと空を見上げる。
「ん?ヒヨ?」
家の上空を、100羽ほどのかたまりで、ヒヨドリらしき鳥たちが、南の空に飛んでいかぁ~
え?ヒヨが群れる?
・・・・
インターネットで調べたら、秋、ヒヨは群れ、渡るらしい
いつも、二六時中、春夏秋冬、どこにでもはびこるヒヨではあるが、微妙に近場を渡るということだ。大概は、南や南東に移動するらしい
・・・・
ひとつひとつ観察が重なり、ひとつひとつものを知る
秋の朝のささやかな感動であった。
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31.じんわり涙
9月21日(日)
他にいくらもあるしんみりとした名曲でもなく、感動の歌唱力を誇る歌手の歌でもなく、心に響く歌詞の曲でもなく、AKB48の「ヘビーローテーション」を聴きながら、じんわり涙を流す状況というのも、あるものだ
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30.仕事好き
9月21日(日)
人文・社会系の研究では、質的分析と量的分析というものがあり、たとえばアンケート調査などをした場合、自由記述欄の文章をもとに分析するような場合は質的研究、5段階の選択肢で程度や頻度を尋ねる設問の回答を統計的に分析するような方法は量的研究となる。
・・・・
わたしは、今の仕事がけっこう好きである。
研究よりも教育、ということで、カリキュラムのことを考えたり、年間の時間割のことを考えたり、いろいろな先生と交渉したりする。エクセルで表をつくったり、TOEFL-ITPなどという試験実施の運営をしたりと、いろいろであるが、これも性に合っているというものだ。
以上がわたしの気分で、アンケート調査でもあれば、自由記述欄にこのようなことを書くであろう。
・・・・
4月に血圧計を買換えた。
勝手に血圧を測れば、勝手にデータを記録し、コンピュータにデータを転送すれば、勝手にデータを整理し、勝手にグラフなどをつくり、勝手に分析し、健康レポートをしてくれる類の血圧計だ。
今朝、少しためていたデータをコンピュータに転送し、ふと「レポート」を眺めたら、こんなことを言う
「最近1ヵ月の最高血圧を曜日別に平均した値でみると、金曜日の朝に高くなっていて、140mmHg と家庭血圧の高血圧基準値より高い値を示しています。これからも、血圧が曜日によって変化しないかチェックしていきましょう。」

・・・・
現在、夏季休業中で、授業は休みとなっているが、毎週木曜日と金曜日には会議やら打ち合わせやらが重なり、手帳なども真っ黒になっている。
グラフを目の当たりにして、ちょっと、動転した。
わたしの気分は自分を仕事好きと言うが、グラフは明らかに仕事に対するプレッシャーを語っている。
なによりも、週末の「お休み」を楽しみにする心根を暴いている。
実はこの夏季休業中、火曜日などに休みを取り、近隣散策などに出かけることも多かったのだ…
・・・・
うぁわ、わたしは、やはり、遊び好きなのであった!
量的分析は、人の気分をも変える
めでたし、めでたし
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29.のろけ
9月19日(金)
そういえば、カバ婆との出会いは、出会いの連鎖、出会いの宝庫をもたらした
カバは人を好くカバなのである
それだけでも、知り合えてよかったと思う、今日この頃である
あ、こんなこと面と向かって言ったら、がはは、ならば酒、たばこ、自重せよ、などとなりかねない
やばい やばい
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28.出会い
9月19日(金)
人との出会いが、どれだけ自分に大切なものか、実感するなぁ
ちょっと感傷的だけど、出会いが人生を豊かにする、ってのは、きれいごとの中でも、とびきりのことだと思う
いっぱいあるけど、御在所藤内小屋での人との出会いでは、わいわいやりながらひとつごとを遂行する楽しみを知った。
それから、そうだなぁ、院生さんたちとの出会いは、自分の興味、関心を広げるチャンスをくれた。最初の出会いだけ言うけど、はじめて指導教員になった学生さんは、アメリカ先住民文学なんてのを研究したいってことで、指導するうち、それまで、なーんも知らんかったアメリカ先住民について、なんて興味深いんだと、実感したものだ。
人は人に育てられる、っていうきれいごとも、とびきりだな
(あれ?こんなようなこと、前にも書いた?)
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27.まつり
9月12日(金)
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々
とは、まことすごい言葉だと思う
踊る人間の心得だな
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27.そこに虫の音
9月8日(月)
うろこ雲に夕焼け空
東の空にまんまるお月さま
縁側に腰かけ飲むビール
そこに虫の音
秋だなぁ
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26.まんじゅぅ、しゃかぁ~ぁ
9月3日(水)
普通、お彼岸の頃に咲くじゃろと思っていたのだが、今日、西ノ京、唐招提寺のわきを流れる秋篠川(はじめ「佐保川」と書いてましたが、まちがいでした)の堤に、もうヒガンバナが咲いていた。
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25.老後ひとり
8月13日(水)
朝の早起きは相変わらずで、モーニングコーヒーを楽しむのも、きほん一人だ
今朝は、5時半、いつもより朝寝坊し、ちょいとおそめのコーヒーを沸かし、鼻歌交じりでカップを用意、ふー、ふふぅーと、コーヒーを注いだ。
ふと気づくと、もう20年以上も使っている、ディズニーキャラクターのマグカップ、うすみどりとうす桃色の、揃いのマグカップをふたつ用意し、2人分のコーヒーを入れていた。
おっと、と、あわてて、うす桃カップからサーバー(といっても、うちのはホームセンターで買った小型やかんなのだが)にコーヒーを戻し、感慨にふけった。
老後、先だったカバ、
ヤギは、一人、朝、コーヒーを入れると、ふとなにげなく、やはり、2人分のコーヒーを用意する、そのときもまだ、ミッキーとミニーのマグカップを使っているのだろう。
ヤギは、カバを想い、2杯のマグカップを庭に持ち、キャンプテーブルと、キャンプ椅子2脚置いては、目の前のミニーの桃色カップを眺めながら、ひとり、深い息でもつき、おいしいモーニングコーヒーを、ひとり、すするのだろう…
と、カバが起きてきたので、「お、コーヒー入れたばかりじゃ、飲むか」と聞きつつ、件の話をした。
さて、どんなツッコミが…と期待したが、カバは、「そうね、『独り言』にでも書いておいたら」と、静かに笑った。
盆休み ゆたゆたゆたと 物思う
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24.下の句
8月12日(火)
ゆで鶏うまし とくにむね肉
(上の句は、まだ、思い浮かびません、はい)
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23.ネイチャー
8月10日(日)
台風が来た。しばらく、セミの声が止んでいた。
セミが鳴き始めた
薄日が差し始め、たぶん、奈良のこのあたりの嵐は去った。
セミは、テレビの天気予報より、ずっと先んじて、奈良のこのあたりの様子を告げてくれたようだ
・・・・
やっぱり、わたしは、ネイチャー、アウトドアを、また、真剣に考えていきたいと、つくずく感じた
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22.ごめん
8月8日(金)
文章で気持ちを伝えたい
メールでも当局に提出するような正式文書でも気持ちを伝える文章が書きたい。
でも、「ごめん」を伝えるのは、とても難しい
でもでもでも(って、繰り返しゃいいってもんじゃない)
でも、文章でごめんを伝えたい
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21.夏夏夏夏ココ…
7月21日(月)
ここ奈良にも夏が来た
カラオケに行きたい
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20.現在、過去、未来…
7月19日(土)
前回の「独り言」のあと久しぶりに2008年『独り言』の文章を眺め楽しんだ。
すると、「11月13日(木)YouTube すぐれもの!」の中に、電線に止まり囀る鳥についてのカバとヤギの一日が書かれていた。
去年のツバメのねぐら入り見学(2013年『独り言』「29.ツバメのねぐら入り―楽しい夏休み―」8月18日(日)参照)を機に野鳥観察にはまったと思っていたヤギ&カバのバーダー夫婦にはすでにそのころその芽があったとは、感慨深いものである。
・・・・
ところで、2008年11月25日(火)の「独り言大賞」において、1年の文章を振り返りつつ「思えば、この「独り言」のヤマ場は、すでに1月で終わっているようだ」と語ったヤギではあるが、どうも、7年目に入った『独り言』のヤマ場も、1年目の2008年で終わっている感がある。さてさて、これから、何を語るのか…
過去を眺め、今を語り、未来について思いを馳せるのも独り言であろう
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19.めぐる、めぐるよ、時代はめぐる
7月16日(水)
近鉄奈良駅近くに、生ビール(メガ)、生ビール(ギガ)がある居酒屋がある。メガはいわゆる生大サイズ、「お、ここ良心てきぃ、ほんとの生大サイズぅ!」ぐらいのたぶん1?だと思う。そして、ギガはおそらく1.5?なのだ。
このところカバとここに2回ほど行った。お気に入りである。
前回行った時、ヤギがギガを3杯飲んだ。ゆえに、カバは立腹である。
せんなきことか
ということで、さきほど、カバにきいてみた。「わし、あんさんとビールとどっちが好きだと思う?」
カバは「ビール」と即答した。
さらに、「右手にビール、左手にわたし、どちらかを離さなければ、自分も崖から落ちる、なんてバカな話をしたら、あんたはわたしを離すと言うだろう」と、冷静に語った。
(ヤギ爺の独り言2008「11月30日(日)究極の選択」参照)
せんなきこと
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18.今では指輪も
6月21日(土)
庭に、クチナシ、カシワバアジサイ、ドクダミの白い花が、咲いている
梅雨真っ只中の雨模様の一日である。
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17.孫子の代
6月19日(木)
もう何年かすれば古希を迎える小田和正のコンサート会場で孫の世代の少女が胸の前に手を組み真剣に歌に聞き入る姿がテレビに映し出された
思わず涙が滲んだ
孫子の代まで歌い継がれる歌はある。だが、孫に感動を与える歌を歌える歌い手は、そんなにはいない。
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(下の「15.味音痴から」からお読みください)
16.続・味音痴
6月10日(火)
麺類が好きだ
醤油+砂糖+昆布茶のそばつゆが残ったのでスパゲッティ―を茹でた
バターを敷いたフライパンに茹で上がった麺をあけその特性そばつゆをふりかけコショウを振った
牛乳を少量入れて煮詰まるのを待ち卵をひとつ割ってかき回し、出来上がった
これがまた、美味いのである
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15.味音痴
6月10日(火)
蕎麦が好きだ
そばつゆがない時を想定し、生醤油を薄めて食した
ちょっとからい
ならばと、砂糖を一つまみ入れてみた
まずまずいける
お、昆布茶の粉末があったので少量入れてみた
うまいのである
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14.ヒヨの恩知らず
5月22日(木)
ヒヨドリの鳴き声は、まさしく、ヒーヨ、ヒーヨ。ピーピーヒャーヒャー。ピーピーピー。ピピッっとけたたましく、癪に障るほどのことがある。
なにせ数も多く、そのうえ、そこかしこにいるのだから、ほかの鳥の囀りをかき消し、なーんだまたヒヨかよぉぅ…と、煙たがられることしきりである。
それでも、この時期、朝、家の庭先の電線に一羽止まり、思いもよらぬ可愛らしい声で、早口にボソボソと、「チュリュリュロチュロチッ」「チュリュリュロチュロチッ」「チュリュリュロチュロチッ」っと繰り返し呟くように囀る姿をみると、やはりそれはそれで可愛いものである。
だがしかし、ヒヨは貪欲で傍若無人でもある。大切に大切に育てる家庭菜園のブロッコリーや、キャベツなどを、いつも食べられてしまい往生している人も多いはずだ。
困ったものである
・・・・
我が家の庭には小粒だが甘酸っぱ美味しいさくらんぼのなる桜の木がある。(独り言2013「10.桜伐る馬鹿梅伐らぬ馬鹿」3月13日(水)参照」)
毎年梅のころには花を咲かせ、4月ソメイヨシノが散ってしばらくしてからゴールデンウィークが明けてしばらくしてまで、うまい実を楽しませてくれる。
・・・・
当然ながらこのさくらんぼ、ヒヨたちのご馳走でもある。毎年、どちらが先かとカバとヒヨとの収穫合戦が続くのだ。
そして、今年、カバは、ヒヨ対策防鳥ネットを購入した。
当然ながら、我が家では、力仕事はカバのもの、カバは脚立に乗る。そして、庭に立つヤギの離れ兼物置「ヤギ小屋」の屋根にあがる。
カバは高いところも平気なのである。
ひととおりネットを掛け終えて、
「ちょっとだけでも鳥たちにおすそ分け。ぜーーんぶ覆うのだけはやめといた、がはは」
と満足げに笑うのだ。
・・・・
ある朝、いつものように煙草を吸いに庭に出た。すると、なんとヒヨが一羽、防鳥ネットに紛れ込み、出られなくなっているのを見つけた。
なんとか飛び立とうとしたのだろう、しかし、段々に下の枝の方に降りてきてしまい、とうとうネットの一番下のあたりまでたどり着いてしまったようだ。もはや、出口のある上の枝には戻ることができそうもない。
「おーい。ヒヨがネットに引っかかった。」
わたしはカバを呼んだ。
こういう場合のレスキューも、我が家では、カバの仕事なのである。
カバは「なになに、どれどれ」と庭に出て、「こりゃ大変だ、よしよしよし」と、ヒヨ救出に立ち上がったのだった。
一方、わたしはといえば、当然のことだが、煙草を吸い終わり、コーヒーの続きを飲みに居間に帰ったのである。
・・・・
しばらくするとカバが庭に面したアルミ引き戸のガラス越しに現れた。顔には笑みを浮かべ、手袋をした両手でヒヨを掴んでいた。
「これ。手袋しててよかったわぁ。いっぱい突っつかれた。うまく網からはずせんかったで、しかたない、ネットの下の方をはさみで切って、出してやったぜ、がはははは。」そして、わたしの鼻先にヒヨを差し出し、
「こう見ると、ヒヨもかわいいもんだ」と言った。
わたしは、カバの手に救われ、いまだ呆然と事態が呑み込めぬヒヨの頭を、人差し指で優しくなでてやった。「たしかに、かわいいのお」
・・・・
カバは「もういいか?離すぜぃ」と言うやいなや、「ほれっ!」とヒヨを投げ上げた。ヒヨは「おっとっと」と言ったかどうか、とにもかくにも、バタバタバタと羽ばたきつつ、空に飛び去っていった。
「よしよし飛んだな。怪我はなかったようだ」とカバは満足げに空を見上げ、「それにしても、買ったばかりの新品のネットを切ってまで助けてやったのだ、ヒヨも恩返しに来るやもしれぬ」と笑ったのである。
めでたしめでたし
・・・・
あれからもう1か月以上は過ぎたろう
ヒヨの恩返しは、いつのことだろう…
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13.五分の魂
5月21日(水)
職場を出て、少し歩くと池がある。ちょっとした木立がある。鳥がいる。
余裕を持って出勤したときなど、このあたりでぶらぶらと時を過ごすことがある。
ときには、いつも携帯しているビデオカメラで、このごろここにもあらわれたヤマガラなどを撮り楽しむ。
また帰りに時間があるときは、池の周りをぐるりして、寒さ遠のく今ではめっきり数が減り、それでも、時に一羽、二羽、姿を見せるカイツブリなどの水辺の鳥が、巧みに潜水しながら餌を探る姿を眺める。
・・・・
ただ、今日の帰りは、すたすた歩いていた。
それでも、別段、打ちひしがれていたわけではない。ただ俯いて足元を見ながら、とぼとぼ歩いていたようだ。
左足を踏もうとした。
と、その時その場所に何か小さく黒くうごめくものが突然に目に入ったのだった。
蟻だ
わたしは咄嗟にバランスを崩し、左足の靴の外側が地面に着くよう右に大きく肩をよじった。そして、少しばかりではあるが仰向けに、左に倒れこむ姿勢を取りながら、左靴の外縁(ヘリ)を基軸に「おっとっと」っと、なんとかかろうじてではあるが立ち止まることができたのだった。
わたしはほっと息をついた。
一息ついた。そして、さてさてさてよと目をやれば、くだんのアリは、あいかわらずに素知らぬ顔を通したまま、先の地べたをちょこちょこと這いまわっていた。
あれあれ、蟻は5ミリの虫でもなかろうか。
ならば、このたび救ったは、一分に満たぬ魂ではあった…
なんにせよ、めでたしめでたし、
ということである
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12.久々に地獄
5月14日(水)
今朝の地下鉄御堂筋線は、そこそこの混み具合で、列車が揺れれば身体のどこかが接触するほどとなった。
難波から乗車したヤギは、ドア付近のちょっと広い空間の真ん中あたり、吊革のない辺りまで進み、さらに乗ってくる人たちに押され少し奥の方へと流されていった。ここも吊革には手が届かない。
ふと気づくと、女性たちに囲まれていた
目の前には三人、両脇にも一人ずつ、真後ろも、女性だった。「なぜだ…」と、わたしは恐怖した。揺れる列車の真っただ中、身動き一つ許されない状態へと陥ってしまったのだ。
過去に何度か書いたのであるが、わたしは、車内での女性を恐怖する。そんなことはあるはずもないと思いたいのだが、悪意、はたまた勘違いによる場合を問わず、映画『それでもボクはやってない』で濡れ衣を着せられた主人公の状況が頭をよぎる。今日はそーっと場所を移る余地がないほどに、囲まれてしまった。
地獄…
幸いなことに、次の心斎橋駅では相当数の人が降り、出入り口にできたちょっとした空間に、ホームから、飽食都会カラス風背広姿のサラリーマンたちがどどどと乗ってきた。
ジーパンにグレーのヨレヨレジャケット姿の土鳩風ヤギは、居心地を求め、よたよたと、必死にカラスたちの群れの中を目指し移動できたのであった。
とにもかくにも、よかったよかった
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11.GPS
4月27日(日)
ゆえあって、昨日今日と、カバ婆と、泊まりで、春日山原始林を歩いた
GPSによれば、移動距離27.0km、移動時間8時間18分51秒、停止時間14時間2分16秒ということらしい
やはり、そうとう暇な夫婦のようだ
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10. 燕か鴉か
4月25日(金)
「チュクチク、チクチュク、チュクチクチクチュク」とせわしない鳴き声をあげながら、ときどき「ジーーー」っと機械音を挟むのが、ツバメである
今朝もバス停まで歩く道すがら電線に一羽ツバメが鳴く
・・・・
朝早く、といっても、もう7時なのだが、通勤の時間帯の駅のプラットホーム、ふと気がつくと、黒っぽいスーツ姿の通勤客が並ぶ
ツバメというより、都会の飽食でちょいと太った、カラスの群れか
・・・・
頭が鳥でいっぱいだ
(o^^o)y-.。o0
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9.世界の奥行き
4月15日(火)
用事で出かけていても、買い物に出かけても、出勤途中も、帰宅時も、空を見上げる
家々の屋根や、ビルの屋上あたり、木立の枝先や空き地、池、電線、電柱、塀の縁、あちこちをきょろきょろと眺めまわし、じーっと目を凝らす
鳥に夢中である
・・・・
今、この季節に、ツバメが、これほどにたくさん、あちこちを飛び回り、あちこちで囀っていることを、去年までのわたしは、まったく気づいていなかった。知ってはいても、気づかなかったのだ。
世界の見え方は、これほどまでに変わる
・・・・
田んぼの畦を歩く
すぐ手前に、アオサギがぬぼーっと佇む。ゆっくり近づくと、同じ歩調で少しずつ、一歩ずつ、遠ざかっていく姿が滑稽だ。
向こうの畦道のあたりには、雀たちがチュンチュン騒ぐ。また先の田んぼには、ちょっと大きめだから、たぶんツグミだろう、あの背筋を伸ばした姿勢で一羽、二羽、よく見ると、三羽、四羽、立ち止まり、また歩む。
背後から「キュ、ギュッ、キュル」と鳴く声にふりかえれば、一本の木の枝枝にムクドリたちが群れ、その先の小高い林の木々の間には、なんだかわからないが、鳥の姿が見える。空にはカラスが飛ぶ。カラスの飛び方は、よく見ると、なかなか恰好いい。
遠くの手前に矢田丘陵、遠くの遠くに生駒山…
・・・・
世の中はこんなに奥行きがあるのだということを、
わたしは、これまで気づいていなかった
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8.バーダー
3月26日(水)
BIRDER というバードウォッチング愛好家向けの雑誌がある。ちなみに "birder"は、れっきとした英語なので、"bird"
には、動詞で "to observe or identify wild birds in their habitats"
つまり、「自然の中で野鳥を観察したりする」という意味があるのだ。
この話をカバにした
「かくかくしかじかだ、ただし、birderは、英語であるので、「ばーーだーー」ではなく「ぶぁ~だぁ」と発音する、ははは」
カバはいつものように背を向けたまま「はぁーあ」とうなずいた。と、おもむろに振り返り、
「馬を見るやからは、「ほーさー」か、がはは」
と笑った。
そんなはずはない
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7.散歩
3月19日(水)
春となっても忙しい、休日とても気がせいて、なかなか旅などもできない日々が続いている。
ま、働き盛りのヤギである
・・・・
日曜日、野鳥観察図鑑とビデオカメラと双眼鏡を片手に、あ、両手でも足りないか(;'∀')、ひとり、矢田丘陵から奈良の都の西ノ京、九条あたりを散策した。カバは用事で出かけたのだ。
ふと気がつけば、経過時間6:48:22(内、移動時間4:33:02)、移動距離19.8㎞(持参GPS記録による)の、散歩であった。
・・・・
忙しいのか暇なのか
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6.片平あかね
2月25日(火)
とは、じつは、
野菜(かぶ)の、名前なのである
奈良の大和の驚きだ
http://www.pref.nara.jp/8048.htm
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5.ウグイス
2月24日(月)
今朝ウグイスの声で目が覚めたとカバの報告
本年の我が家での初音である
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4.人生五十年
2月15日(土)
カバ婆が、無事、満57歳の誕生日を迎えた
おめでとう
今朝は、とりたてて、とくに、イベントはなかったのであった
(2012年2月15日「6.高所恐怖症」、2012年8月25日「38.二月まで待てない」参照)
ところで、わたくしヤギ爺、現在のところ、満55歳なのである
4月25日までの2か月間、カバは、2歳年上の、お姉様カバである
\(^o^)/
・・・・
人生五十年…
されども、当の織田信長自身、この歳を待たずして、無念にもこの世を去った
「しかしてわれわれは、もうすでに織田信長の齢をもすでに越えているのだな」
と、
カバ婆は、感慨深げに、語った
しかるに、『サザエさん』の磯野浪平氏は、昭和の定年五十五歳、そのすぐ前年の、満で五十四の歳なのである
さてさて、
われヤギ爺、もう、すでに、その浪平さんの齢をば、すでに、とおに、越えているとは、まこと、新鮮な感慨ではあった
人生とは、なるほど、いろいろなのである
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3.残寒の候
2月13日(木)
立春も過ぎた先週末あたりから、ミチコちゃんの梅(2011年2月6日「5.日曜サスペンス」参照)が、ちらほら一歩手前に、咲き始めた。
庭の金魚ちゃんたち(2013年6月4日「20.金魚」参照)の池(あ、どでかいプラスチック製漬物樽です、はい)の氷も、ここしばらくはうっすらと張る朝の寒さなのであるが、それでも、金魚ちゃんたちの動きが、少しばかり活発になってきたような気がする。
啓蟄、春分と、春がすすむ
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2.十一
1月25日(土)
夫婦で野鳥観察にややハマっている。野鳥の鳴き声のCDを買った。
ジュウイチという名の鳥がいる。この鳥、
じゅーいちっ、じゅーいちっ、じゅぅうう、い、ちっ!
と、無意味にも繰り返し繰り返し訴え鳴く。
笑いが止まらないのだ
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1.終わりなき世の
1月6日(月)
むかしむかし、百円ライターが世に出始めたころの品質は、とてもひどいものだった。使い切る前に必ずや石が飛んでしまう、ノズルが詰まるのかガスが出なくなってしまう、といったトラブルが、相次ぐのであった。
今ではあまり見かけないが、Bicのライターがちょっとお高いのだが、ガスが切れるまでほぼ使い切れるということで、わたしも愛用していた。
いつのころからか、煙草をワンカートン買うとおまけでもらえる類の百円ライターの品質も上がり、心地よく使えるようになっていたと思う。
思えば、何年か前からか、この百円ライターがまた粗雑なつくりに戻ってしまったのではないかと、ふと、気づき始めた。
年の初めのためしとて、日本の匠の、さては、細かにこだわる日本人の心の終わりかなと、憂う今日こそヤギ爺である。
ことしもよろしくです
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