葉香製茶のお茶ができるまでのページ

  葉香製茶は「製茶」と「茶園管理」と「仕上げ加工(二次加工)」と「出荷」の各段階に分けてお茶をお届けしています。
一般のお茶屋さんと手順はほぼ同じですが、全ての作業を一貫して行っています。40年前から6次産業をしてきた葉香製茶の手間を惜しまないお茶のつくりかたをご覧ください。

@製茶−茶園から茶芽・茶葉を刈り取って(収穫して)きて、荒茶に加工します。 
 
A選別加工-総合選別加工機や昔ながらの「箕(み)」、そして「目視選別」をして小袋に詰めています。
 
B出荷(鋭意編集中)
 
C茶園管理(鋭意編集中)
 

@製茶
 葉香製茶が所有する個人茶工場で製茶しています。無化学肥料農薬なし栽培のお茶100%、混じりっ気なしで安心してお飲みいただけます。
また、機械操作は全て手作業です。各工程・各機械のお茶の状態に応じて、常に温度や風・火力・機械回転数などを変えています。
茶葉を機械に入れる・出すタイミングは熟練の感覚が必要ですが、特徴を生かしたお茶に仕上がります。
私は自分の感覚で行っているので、熟練かどうかは意識せず、それぞれの機械に入っているお茶の香りや茶葉の感触がお茶としておいしそうな時をみて操作しています。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成
5時間〜6時間

1)生葉  
収穫した茶芽は、新鮮な内に蒸し工程に入れます。ビタミンC・カテキンなどの成分がどんどん減っていくからです。
新茶・二茶の場合、収穫後2〜3時間以内が「新鮮」の範囲内です。
日当たりを避け、冷涼な場所で蒸し工程まで保管します。

※最近、萎凋(いちょう)の香りをつけて特徴のある煎茶をつくる風潮もありますが、萎びらせる工程で成分的には大きく減っています。
香りは特徴あっていいんですけどね〜。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成

2)蒸し工程   ↓蒸した茶葉 と 蒸し工程↓
  
製茶工程の中で最も重要な工程。
蒸し加減によって、できあがったお茶の品質が左右されます。
我が家では「芯まで蒸す」ということ一点に重点を置いています。芯まで蒸すことで青臭みをなくし、お茶本来の香味を引き出しています。
無化学肥料・天然の有機資材(刈草や自家積み堆肥)で育てた茶葉は分厚く、芯まで蒸すことが難しいです。蒸気を強すぎると色が浅くなり、弱いと青臭味になります。
色が浅くても、芯までしっかり蒸したお茶が、我が家の基準です。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成

 
3)揉み工程− 粗揉機(そじゅうき)
 
ここからの「揉み工程」は主にできあがりの見た目に影響します。

粗揉機では文字通り、蒸した茶葉を大まかに攪拌(かくはん)しながら乾かします。揉み手の部品も付いているので、やや軽く揉んでいます。

でも実は、この機械が揉み工程の要でもある。気を抜くと仕上がりが全く違う。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成

4)揉み工程− 揉捻機(じゅうねんき) 
揉み工程で唯一熱を使わない機械です。
茶葉の茎・葉・芽の水分を均一にして、また、細く撚り易い(よりやすい)ように、すりつぶす様な工程です。
抽出具合にも影響して、工程時間が長いほど柔らかくよく抽出するようになります。
しかし、茶葉が細かく砕けてしまうので、加減を手触りで確かめます。
揉捻工程が少ないと「ミノムシ茶※」ができてしまいます。

紅茶でも使いますね。ステンレス製なので洗うのも楽です。


※ミノムシ茶−形状からそう呼ばれる茶葉が団子状に固まったもの。茶芽と茶葉の水分量をうまく均一にできなかったとき、水分量の多い茶芽に茶葉がからみついて団子状になる。かつては、茶師の技術不足の指標とされ、これが混ざる茶は安価に扱われた。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成

5)揉み工程− 中揉機(ちゅうじゅうき)
外側のドラムと内側のウデが逆に回転し、茶葉を乾かしながら揉み込んでいきます。
内張が竹でできていて、粗揉機よりも丁寧に揉みながら乾かします。
これも乾燥が足りないと「ミノムシ茶」の原因になり、乾燥しすぎると「ササ茶※」になった。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成

6)揉み工程− 精揉機(せいじゅうき)  
茶葉を細く撚り、形を整えながら揉み込みます。
 
深い緑色で色つやよく、針の様に細く撚ることが高い技術とされ、現在の機械揉みも手揉みもその評価は変わらない。

 
精揉工程が長すぎると茶が乾きすぎて表面が白い粉が吹いたようになる。これを「ササ茶」と呼び、茶師の技術不足の指標とされた。見た目も悪くなるので安価に扱われた。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成

7)乾燥工程− 乾燥機(かんそうき)  ←粉抜き  
精揉機で整った茶葉を保存できるように乾燥させます。
奈良県基準は茶葉水分5%なんですが、我が家は昔ながらに3〜4%にします。
この時、我が家では「粉抜き」を行います。砕けた茶葉を取り除くことで、
ある程度大きな茶葉に揃えます。この粉茶は、更に箕(み)という道具で風選別します。新茶(上煎茶)の粉茶は「上煎粉」、番茶は「焙じ番粉」に加工します。

生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成

8)荒茶− 荒茶(あらちゃ)    荒茶←と、出荷茶→の比較  
茶工場でできあがったお茶は荒茶といい、茶葉・茶芽・茶茎(くき茶)・茶棒・ひげ(茶茎の表面の繊維)・茶葉の粉・きい粉(若い茶葉の裏面にある毛)・泥粉(その他ホコリなど)が混ざった茶。
我が家は、茶工場で茶葉の粉ときい粉と泥粉を選別機で分けています。さらに茶葉の粉のみを選別して粉茶としています(リスト外商品)。
そのお茶を我が家は冷暗の蔵保存しているので、熟成が自然と進みます。
生葉 蒸し機 粗揉機 揉捻機 中揉機 精揉機 乾燥機 荒茶
蒸し工程 揉み(もみ)工程 乾燥工程 完成


A選別加工
 葉香製茶では、荒茶を自社で総合選別加工しています。
 総合選別加工とは、茶工場でできた荒茶から「ちりもん」を取り除いたり茶葉の長さを揃えたりする工程です。
 
 「ちりもん」とは、荒茶に混ざっている白茎・茶色茎・茎の繊維(ヒゲと呼称)・薄色の茶葉などのことです。(ちりもんは、茶園の畝間に堆肥として還元します。)
 
我が家では「総合選別加工機」を使って、(1)篩い切断(2)静電気選別(3)風選別を行っています。
 (1)篩い切断(ふるいせつだん)-「篩い」という、網を張った容器で茶葉の大小を選り分け、網の上に残った大きい茶葉を円盤で刻んで細かくする選別工程です。
 (2)静電気選別(せいでんきせんべつ)-静電気にプラス電気を帯びたモノがくっつくという性質を利用した選別工程で、白い茎や茎の繊維(ヒゲと呼称)を取り除きます。
 (3)風選別(ふうせんべつ)-軽い葉や広い葉っぱ・茶の粉を風で飛ばして選り分ける工程です。

総合選別加工したお茶は、荒茶全部を合組み(ブレンド)します。品種や茶園場所の土壌・気候によって香味が変わるので、味と香りのばらつきをなくす為です。(新茶(上煎茶)・煎茶について)
合組したお茶は、茶立て(ちゃだて)と呼ぶ保管用の袋に詰めて、蔵で保管します。紙とビニルが複数層になった袋で、昔使っていた茶箱とほぼ同様の保存ができます。

こうして保管してあるお茶を、ご注文がある毎に茶立てを出してきて、必要数量を小分けして、次の出荷工程に移します。

 
 葉香製茶 原茶(荒茶) 篩い 静電気 風選 「箕」選別  目視選別 荒茶
総合選別工程    完成
一般 火入れ加工 販売茶

※葉香製茶と一般茶の違いは、「荒茶」と「仕上げ加工済み」です。
 一般では、茶工場でつくられた荒茶を茶商(ちゃしょう:お茶の問屋さん)が、自社独自のブレンドや仕上げ加工をして店頭販売します。
 「仕上げ加工」とは、荒茶を高い温風で強く乾燥させて、芳ばしい風味に仕上げる加工で「火入れ」と呼ばれます。関東ではこの火入れ茶が、一般にお店で売られているお茶になります。
 この「仕上げ加工:火入れ」を葉香製茶では行っておりません。関西のお茶文化の根源として、お茶をそのまま味わうことが葉香製茶の基本指針です。
 お茶本来の香味を味わっていただくために、葉香製茶では荒茶のまま販売しております。


★選別加工の最終工程 (箕(み)での選別と目視選別)
1:箕(み)での選別
 
昔ながらの選別方法で「風選別」にあたりますが、
その効果は仕上げ加工機よりも高性能です(笑)
仕上げ加工機で取りきれなかったり、静電気でくっついたままだった「ちりもん」を手作業で吹き飛ばします。
 
 
 例:かぶせ茶のちりもん

2:目視選別−アナログ!目と手で「ちりもん」を拾う
 
 最終選別として、目によってちりもんを見つけて取り除きます。この作業が、実は一番時間と手間が掛かっています。
 
 例:かぶせ茶のちりもん

こうして見た目もある程度きれいにして、小袋に詰めています。
 
 例:かぶせ茶の選別前後の様子

 
B出荷

C茶園管理