シャモニー(7月4日)

シャモニーを眺めながら飛ぶ。午後は歩いて右上角に写っているボソン氷河先端を目指したが・・・


シャモニーは12時を過ぎるとバレーウインドが強くなって飛ぶことが出来なくなる。
ホテルから1時間半ほどかかるので今日は時間を早めて8時出発である。
今日も快晴、高速道路を走ってやがてモンブランが見えてくると車内に歓声も上がり賑やかにシャモニーに入る。
ランディング場を確認に行くと去年邪魔になっていた進入側の高い樹が切られ少し楽にランディング出来そうだ。
去年はこの樹に余所のパイロットがツリーランしたところを目撃した。
ここが開けるとだいぶプレッシャーが少なくなる。
昨日のモンマンのTOも整備されてさらに使いやすくなっていたし日本の貧弱な環境に比べて実にうらやましい。

モンブランを前に喜ぶ人

テイクオフのあるプランプラはエギーユ・ルージュの中腹にあるプレヴァン展望台へ登るロープウェイの中継地点にある。
ここは標高約1099m、シャモニーのLDは1040mだから1000m程度の落差がありぶっ飛びでも15分ほどのフライトが楽しめる。
パイロットはプレヴァンの岩壁でリッジソアリングをして高度を上げるのだが今日は風が弱く苦労をしている。
親父もテイクオフ、風が穏やかなのでモンブランを眺めたり眼下のシャモニーの写真を撮ったりしながらゆったりした気分でLDに向かう。
ここで飛ぶのは3回目だから前回に比べれば余裕がある。
15分ほどの飛行後ランディングも決め、いい気分で仲間のパイロットのフライトを眺めていた。


ボソン氷河はまだ遠いが道は行き止まり

やがてソアリングしていたパイロットも全員ランディングしてパラを畳み、車に収納してエイギーユ・デュ・ミディに登るグループとシャモニー観光をする人に分かれ5時にロープウェイ駅に集合することになった。
4時間以上時間があるがエイギーユ・デュ・ミディもシャモニー観光も去年やっているのでどうしよう。
そこでさっき登ったプランプラを経由しプレヴァン展望台までゴンドラで行って、トレッキングコース(ツール・ド・モンブラン)をモンブランの眺望を楽しみながら歩いてプランプラに戻る計画を立てた。
余裕を見て3時間ぐらいの行程だろう。
ところがそう話したらインストラクターから単独トレッキングは止めてほしいと言われてしまった。


ボディラフティングで下る人達

一緒にトレッキングをする人はすぐには見つからない。
それではと市内を流れているアルブ川に沿って歩いて出来ればボソン氷河の先端を近くで眺めることにした。
これなら散歩のようなもので1人でも心配するようなことは起こらないだろう。
アルブ川は氷河が溶けた水を集めて流れているので白く濁っている。
のんびり景色を見ながら川沿いの道を歩いていると川から歓声が聞こえる。


声を掛けてきた自転車の少年

みるとボディラフティングのグループが下って行く。
氷河から流れ出た冷たい水に普通のゴムボートに乗って下るラフティングではなく激流に浸かって下っている。
夏とはいえ凍えてしまいそうだが5〜6人のグループが楽しそうに流れて行った。
この後にも1グループ見たからなかなか人気があるスポーツのようだ。
適当なところで川から離れボソン氷河目指して行けそうな道を登って行くのだがやがて行き止まりとなり私有地に入ってしまいそうなので戻る。
そこに行きつくまでの道は通る人もなくいかにもアルプスらしい絵のような風景で実にいい。


そんなことを何度かして時間もだいぶたったのでボソン氷河は諦めシャモニーの街に戻ってスポーツ用品店などを回ることにしよう。
そう考えて戻る途中、自転車で遊んでいた少年が声を掛けてきた。
「おじさんは何処から来たの」
「ジャポンだよ、自転車の練習かい。」
「そうだよ、いつもやっている。」
「ツール・ド・フランスの選手に成れたらいいね。」
フランス語と日本語でお互い分かったつもりの会話をした。

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