初ソロフライトはラジコン機(9月9〜11日)

NTT鉄塔の右、南テイクオフ場から飛び出して尾根伝いにランディング場に向かう

もう、入校してから延べ14日、チャレンジコースも合わせたら15日になる。
このところ毎週のように続けている水〜金、3日間の練習の3日目。
先週まではテイクオフの練習も順調にこなして校長先生からもそろそろソロを出来ますよ
という言葉を戴いたのに初日、2日目と出来が悪かった。
ライズアップのときにキャノピーが横倒しになったり潰れたりが多くなった。
やさしいノンちゃん先生は風が悪かったからなどとフォローしてくれたが急に失敗が多くなると自信もなくなる。
正一郎先生からは「パラをきちんと広げなければテイクオフは安定しません。」と指摘された。
ノンちゃん先生からも同じことを言われていたのに基本をすぐ忘れてしまう。

穏やかな天気で雲も綺麗、気持ちいい

昨日はシミュレーターにハーネスを掛けて旋回や座り込む練習もしたのにあんな具合ではだめだなあ、などと思いながら スクールに着いたら入口の前に校長先生。
「今日、ソロフライトをやりましょう。・・・どうです、(緊張して)脈拍が急に上がったでしょう。」と言われた。
この親父は感受性が鈍くなって来ているのか脈が速くなるようなことはなかったが、今週の初ソロフライトはだめだったから 来週かと思っていたので本当にうれしかった。
朝一番は同じ練習生の桑原さんと岩屋山に登り皆さんのテイクオフの段取りやテイクオフ時に注意されることを見学した。


この辺りからランディングに向けた指示が入る

実際、ソロフライトをするとなればいろいろ見方も変わる。
テイクオフ後のトグルの戻し方からハーネスへ座るタイミング、あまり考えていなかったグライダーザックのハーネスへの収納方法など この見学をしなかったらずいぶん戸惑っていただろう。
この後、スクールに戻ってなかなか座り込みがスムーズにゆかないハーネスを調整してもらう。
ノンちゃん先生がベルトをいろいろ調整すると何の苦労もなくあっという間に座ることが出来るようになった。
さすがノンちゃん、これで気にかかっていたことが解決した。
それからグリーンパークでテイクオフの練習を3〜4本、この時は風もそこそこで失敗することもなく少し自信を回復する。 午後はランディング場に行き周辺の地形と場周アプローチのイメージをノンちゃん先生から説明を受け再確認、ただし最初は無線の指示通り 操作すればいいですとのこと。
これですっかり準備はできた。


ランディング間際の親父、もう少しだ

3時半ごろ、岩屋山に登りプレフライトチェック。
教わった通り無線とトランシーバー(無線にトラブルがあった時のバックアップ)のスイッチを入れ、うるさいので聞きやすい音量に絞った。
ノンちゃん先生がチェックして「風切り音が大きいので音量を上げます。」と無線のボリュームを上げた。
「だいぶ音が大きいなあ。」
いよいよスタート位置に立つと正一郎先生が再チェック。
黙ってボリュームをグイッと回された。
「ウッ・・・」
ランディング場でフライト中の機体に指示をする校長先生の声がガンガン頭の中を駆け回る。

見守ってくれた先輩達と記念撮影

しばらくして「よし、行こう。」の声でテイクオフ。
あっけなく飛んでいた。
「トグルに重みを感じる位置まで動かして。」
「それがニュートラルです。」
「脇をもう少し締めて、あ!あまり締めすぎないように。」
正一郎先生の声が響くがなるほど大きいとは全く感じない。
「右に旋回して、それから・・・ま、いっか。」
「ま、いっか」が気になったがこちらもまあいいかと思って尾根から中学校、青垣インター方面の景色を楽しみながら飛んでゆく。

影のパイロット、校長先生と感激の握手

「中学校上空を飛んで」
という声が入って校長先生に管制権が移ったようだ。
「足を組んで〜」
「橋のほうに向かって。」
「重役のように座りましょう。」
「左に180°旋回します。」
このあたりになると自分の立場がすっかり呑み込めた。
自分は校長先生に無線操縦されるラジコン機。
プロポであればすぐ反応するが音声で人系を操作して操縦するのだからレスポンスがすごく悪い機体だ。

こんな機体では校長先生も大変だ。
無線機の音量もしっかり上げておかなければ心配だろう。
左側を見下ろせばランディング場がよく見える。
先に下りた先輩達が見ているようだ。
穏やかな風の中、ポジションで旋回するというより川の上で長円形を描いて高度処理をした後、ダウンウインド・レグ、右に回って ベース・レグそして
「そこで右に回ってファイナル!」
「はい、もう少し・・・直して。」
正面に草を刈ったラインとターゲットがある。
さすが好調先生、ぴたりとグライドパスに載せたようだ。
全く修正なしにまっすぐ下りて着地地点はターゲット上とはいかなかったが2mも離れていなかったと思う。
こんな怪しげなラジコン機でも校長先生が操縦すればまさにビューティフルなランディング。
見守っていた先輩や操縦していただいた校長先生に祝福され記念撮影、この初ソロフライト成功の喜びと感激はいつまでも忘れられないだろう。
そのうえ、先輩の方にパラまで畳んでいただいた。
どうもこれは初フライト時の先輩の心尽くしらしい。
校長先生はじめスクールのスタッフ、先輩方にはいろいろ指導していただいて感謝、感謝です。
予想以上に順調に初ソロフライトまできたが早くラジコン状態から脱して自由に空を飛ぶ技術をマスターしたいものだ
(写真はTAK校長が撮影したものです)

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