常念岳、蝶ヶ岳、奥又白(8月2〜6日)

3日目朝の常念乗越からの展望、槍が岳、穂高連峰の展望が素晴らしい。左側の斜面を登れば1時間ほどで常念岳(2857m)頂上に着く。

10名のメンバーのほとんどは親父も含め大峰奥駆南部縦走にも行ったアラセブ(アラウンドセブンティ、70歳前後)で すでにリタイヤして時間が自由になる人がほとんどだ。
その特権を活用してKリーダーは前回同様、天候を睨んで入山時期を3日後ろにスライドさせた。
それでもいつ明けるかわからない今年の異常な梅雨空は槍、穂高の眺望を見せてくれるだろうか。

ガスの中、常念乗越に設営したテント、これから宴会

1日目
大阪駅に集合、ワイドビューしなの9号で13:03松本着。
すぐ、ビジネスホテルに荷を預けて松本城見物に行く。
居酒屋でゆっくり晩餐を楽しんでホテルに戻り早めに寝る。
親父はがつがつした山ばかりでこんな贅沢にゆったりした計画は初めてだ。
だが親父もすでにアラセブの端くれ、こんなのもいいかと思う。


常念岳頂上から蝶ヶ岳へ向かう稜線を下る

2日目
ヒエ平登山口に向かうタクシーから見上げる空はだんだん晴れてきた。
ヒエ平登山口から約5時間半で今日のテント場、常念乗越(2486m)に着く。
このころだいぶガスがかかって明日の天気が心配になる。


お花畑がちょうど見ごろで花の種類も多い

3日目
テントから顔を出すと晴れて御来光も拝めそうだ。 今日は槍、穂高を見ながら常念岳、蝶ヶ岳の稜線を縦走するコース、ここでガスってしまうと全くつまらない。
この天気は本当にありがたい。
槍、穂高も屏風岩も綺麗に見え、写真を撮ったり若いころの登攀の話が出たり気分良く進む。
しかし常念を登り、蝶への長い稜線をたどり、長塀尾根を下って今日のテント場、徳沢園までの行程は15km弱。
さすがに長塀尾根ではだいぶ時間がかかり徳沢園到着は17時40分、出発から11時間半かかった。

パノラマコースから分かれ中畠新道を進む

4日目
夜、少し雨が降ったが朝食を食べている間にだんだん晴れてきた。
この山行もリーダーが調整しスライドした日にちの設定がぴったりだ。
今日はこれまでの一般道とは違い岩場に近い難路、Kリーダーから慎重に行くよう指示が出される。
ただ、テントなどは置いてゆくので荷は軽い。
3年前にはTさん2年前にはTさん、Aさんと北穂の北尾根を登っているので新村橋からしばらくは良く知っているパノラマコースだ。
青空をバックに聳える思い出の北尾根稜線を眺めながら登ってゆく。

静かな奥又白池、他のパーティを見ることはなかった

パノラマコースと分かれて中畠新道に入り奥又白池へ岩場に近いルートをゆっくり進む。
急傾斜を登るので高度はぐんぐん上がる。
振り返れば昨日たどった常念岳、蝶ヶ岳の稜線、長塀尾根が見える。
あんな長丁場をよくこなしたものだと皆さんはそれぞれに満足げだ。
奥又白池に11時20分着。
標高2500m近い高さにある静かな綺麗な池だ。
ここでは遭難したS山岳会の先輩達の慰霊のため「奥又エレジー」を皆で歌った。

帰りは安全のためロープを3箇所で使ったがスムーズに下り、途中、別な事故で遭難したS山岳会の先輩2人の慰霊碑で供養をして 15時30分徳沢園に帰り着いた。
テントを撤収し上高地までの約7kmの道をさっさと1時間半ほどで歩く。
上高地17時45分着。
今日も12時間弱の行動時間を歩きぬいたこのパワフルなアラセブ軍団はこの後タクシーで乗鞍高原温泉に行き、民宿でしっかり温泉と 食事を楽しんで翌朝帰路についた。

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